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これだけは知っておいて
【第40回:医療人としての「質を確保(quality assurance)」すること その1】

2018/05/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

柔道整復師として「医療人としての質を確保(quality assurance)」することは非常に重要である。

平成30年4月入学の柔道整復師養成施設学生から新カリキュラム(99単位2750時間以上)が実施されている。臨床実習も4単位(45時間×4)と大幅に増える。

平成30年4月入学生以前のカリキュラムにおける臨床実習は柔道整復師養成施設付属接骨院内で行い外部での臨床実習は認められていなかった。単位も1単位(45時間)である。

今回のカリキュラム改定で臨床実習を見直した背景は多くの柔道整復師養成施設付属接骨院は来院患者数も少なく、より多くの臨床例を見て柔道整復療養費の支給申請に係る現場での手順や支給申請内容の理解が難しいということからである。

その柔道整復師養成施設付属接骨院外での実施を行うために柔道整復師養成施設の教員資格を持たない柔道整復師は「臨床実習指導者講習(2日間16時間)」を事前に受講し臨床実習指導者として学生の臨床実習を受け入れる体制を整える。

臨床実習施術所(施術者)の要件は、

臨床実習における到達目標が設定されており、これに沿って実習が実施できること。
5年以上の開業経験があること。
教員の資格を有する柔道整復師、又は5年以上実務に従事した後に厚生労働省の定める基準に合った「柔道整復師臨床実習指導者講習会」を修了した柔道整復師である臨床実習指導者が配置されていること。
過去一年間の施術日の平均受診者数が20名以上であること。
臨床実習の実施に関し必要な施設及び設備を利用することができること。
過去を含め療養費申請資格停止等の行政処分を受けていないこと。
臨床実習を行うに当たり、患者に対して臨床実習を行うことを文書により同意を得ること。

などが実施に当たり定められている。

このようにして柔道整復師養成施設の学生の時から「医療経済」「柔道整復療養費受領委任の取扱い」などを柔道整復の現場で学び、医療人としての質を確保(quality assurance)していく。

その中には接骨院内での事故や事件が起こらないような対策を講じることも重要なことである。

インフォームド・コンセント(informed consent:説明と同意)や患者中心の医療(patient-centered approach)と言われている柔道整復医療の現場を見てリスクのマネジメントが出来る人材となってもらいたい。

 

 

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