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これだけは知っておいて【第7回:ここに人あり~ほねつぎ~ 】

2015/05/01

明治国際医療大学 教授 長尾 淳彦

日本柔道整復師会元会長 原 健先生がお亡くなりになった。昨年10月から今年の4月まで毎月お顔を拝見し柔道整復師はどうあるべきかをご教示していただいていた。

日本柔道整復接骨医学会誌Vol.23 No.3(2015.3.30発行)のコラム欄に投稿されている。
全柔道整復師必読ものである。合掌

 

 

ここに人あり
~ほねつぎ~

日本柔道整復師会元会長 原 健

略歴
昭和3年7月12日生まれ
平成11年~平成15年 日本柔道整復師会会長

86歳となってもこのように「柔道整復」を語ることの機会を与えていただき感謝致します。

私が日整会長当時、接骨院開業者は地方公務員の部長クラスと同額の年収であったと記憶しております。養成施設が増え、おのずと開業者も増えます。日本の人口減少の中、限られたパイの奪い合いによる個々の減収は避けられないと思います。数は力とは言え、柔道整復師の仕事で食べていけなくては国家資格の価値は下がります。

私は日整役員になってからそして今も、柔道整復師の保険取扱い項目を増やさなければならないと言い続けています。骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷の5傷以外でも柔道整復師が国民の健康維持・増進に寄与出来るものは多々あります。柔道整復師の保険取扱い項目を増やすには柔道整復師にしか出来ないことを研究し立証することです。医療人として基礎学問を学ぶことは重要ですが「ミニ整形外科」「亜流整形外科」ではダメです。

当時、武見敬三先生が「我が国固有の武術や武道から派生し、純粋な民族医療でしかも地域に密着し、保険診療の中でも療養費という名目のもと多くの国民から支持されているのに柔道整復は世界にちゃんと理解されていない。国内外に正しく柔道整復を知ってもらうにはWHOに認識してもらうことが最優先である。早急に働きかけよう!」というお言葉をもらい、工藤鉄男学術部長(現日整会長)、山口綱孝総務部長、橋本昇東京都総務部長を中心にプロジェクトチームを立ち上げ、2001年2月発行のWHO報告書に「日本の伝統医療 柔道整復師 Judo therapist」として紹介されました。

この報告書の中にも出てきますが、柔道整復を世界に広げる5つの課題が与えられています。

  • 日本の医療体系の中での柔道整復の位置付け
  • 柔道整復の安全性
  • 臨床研究と治療過程についてのプロトコル:臨床データの収集
  • 施術提供者が教育を受け、その水準を維持しているか
  • 治療効果についての他の医療との費用対効果

継続してこの課題の探求をお願いしたい。

「柔道整復」は日本で生まれ日本で育った日本の誇るべき伝統医療です。我々柔道整復師は自信を持ち、堂々と患者さんに向き合い治療してきたからこそ多くの国民の支持を得られてきたのです。

自信を無くした柔道整復師が増えると業界は衰退します。柔道整復師は「柔整」の勉強をする!柔道整復師が「自信」と「誇り」を持って仕事をするために日本柔道整復接骨医学会の果たす役割と責任は非常に大きいものがあります。期待しております。

(編集責任者許可済)

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