これだけは知っておいて【第6回：第23回柔道整復師国家試験結果を考える】

明治国際医療大学　教授　長尾　淳彦

平成27年3月1日に実施された柔道整復師国家試験の結果が3月27日に発表された。23回実施された柔道整復師国家試験の中で一番低い合格率であろう。出題傾向の変化も大きく影響しているのだろう。

下記に今年の柔道整復師国家試験の合格率と内訳を記載。大学と専門学校の比較、新卒者と既卒者との違いなども記載してある。

合格率に大学と専門学校に有意な差はないが新卒者と既卒者には、大きな違いがある。新卒者は在校生として常に学校にいて教員の指導の下、国家試験対策を行っている。一方、既卒者のほとんどは在宅にての勉強でアルバイトの時間もあり、新卒者との試験対策に掛ける時間も少ない。このようなことは国家試験になる都道府県知事認可の時からわかっているのだが、既卒者合格率に変化はない。新卒者の不合格者は来年度も受験するだろうが、既卒者で不合格の1339名はどうするのだろう？是非、母校の教員に相談して有料であっても学校にて勉強されることを切に願います。そうすれば、必ず受かります。

また、他の医療職の受験者数や合格率も下記に記載しました。看護師の受験者数の多さと合格率の高さには驚かされます。毎年、55,000名の看護師が誕生しても現場では人員不足状態です。医療の中心的存在の医師は8,000名強で診療科目の偏りもあるが全科で割ると少ない気がする。このように今後「地域包括ケアシステム」において柔道整復師が資源になるためには医療職種がどれ位、輩出されるかをきちんと把握しておく必要がある。

柔道整復師国家試験

　第23回柔道整復師国家試験の合格基準は

1．

必修問題：配点1問1点とし、全30問中、総得点の80％以上、24点以上を合格とする。

2．

一般問題：配点1問1点とし、全200問中、総得点の60％以上、120点以上を合格とする。は例年通りである。
ただし、午後の問題第57問については、複数の選択肢を正解として採点する。また、午後の問題第76問については、訂正が行き届かなった者には不利益が発生しないように配慮する。必修問題、一般問題のいずれも合格基準を満たしている者を合格とする。

大学12校（明治鍼灸大学医療技術短期大学部除く）

専門学校99校

今年の受験者総数

医師国家試験

歯科医師国家試験

看護師国家試験

あん摩マッサージ指圧師国家試験

はり師国家試験

きゅう師国家試験