柔道整復師国家試験対策【第26回:病理学】
概説
- 問題1
- 解答 2
各種染色法
一般染色法 ——— ヘマトキシリンエオジン染色
膠原線維染色 —— アザンマロリー染色 ワンギーソン染色
アミロイド染色 — コンゴー赤染色
鉄染色 ————— ベルリン青染色
一般細菌染色 —— グラム染色
結核菌染色 ——— チールネルゼン染色
真菌染色 ———— グロコット染色
- 問題2
- 解答 3
内因として疾患の性差による好発の違いが存在する。
男性に多く好発するもの
1. 高血圧 動脈硬化
2. 心筋梗塞 脳梗塞
3. 胃癌 肺癌 食道癌 肝癌
女性に多く好発するもの
1. 鉄欠乏性貧血
2. 骨粗鬆症
3. 自己免疫疾患 膠原病
4. 胆石症
5. 甲状腺癌 胆嚢癌
- 問題3
- 解答 2
新生児期
分娩損傷 羊水吸引症候群 肺硝子膜症
乳児期小児期
感染症(麻疹・風疹など) 白血病 肝芽腫 腎芽腫 神経芽細胞腫
成長期
骨関連腫瘍(骨肉腫など)
壮年期
生活習慣病(悪性腫瘍 糖尿病 脳血管障害 動脈硬化 高血圧)
- 問題4
- 解答 1・3
ビタミン欠乏疾患
ビタミンA欠乏 ————— 夜盲症、眼球乾燥症
ビタミンB1欠乏 ————— 脚気
ビタミンB2欠乏 ————— 口角炎 舌炎
ビタミンB12欠乏 ———— 悪性貧血
ビタミンC欠乏 ————— 壊血病 メラーバロー病
ビタミンD欠乏 ————— 骨軟化症 くる病
ビタミンK欠乏 ————— 低プロトロンビン血症(出血傾向)
- 問題5
- 解答 1
放射線に対する個々の細胞の感受性
→
再生能力や増殖能力、低分化な細胞は放射線に対する感受性が高い
造血細胞 性細胞 表皮細胞 胃腸粘膜細胞
逆に、再生能力や増殖能力が低い細胞は感受性が低い
神経細胞 筋細胞 骨細胞など
退行性病変
- 問題6
- 解答 2
萎縮分類
1. 生理的萎縮
正常な過程でおこる萎縮
胸腺に起こる退縮、加齢とともに起こる老人性萎縮
2. 貧血性萎縮
循環障害によって起こる萎縮
動脈硬化性萎縮腎
※圧迫萎縮:水腎症の結果発生する萎縮
3.廃用性萎縮
組織、臓器がその機能を果たせなくなり発生する萎縮
固定後の筋萎縮
※神経性萎縮:神経が原因で廃用性萎縮を起こしたもの
※内分泌性萎縮:ホルモン分泌低下により廃用性萎縮
- 問題7
- 解答 2
壊死巣の一般的変化は凝固壊死である。
中枢神経においては、凝固壊死でなく融解壊死を呈する。
よって、脳梗塞では融解壊死を呈する。
- 問題8
- 解答 2
- 問題9
- 解答 2
ウィルソン病は、銅代謝異常を呈する先天性の遺伝性疾患である。
循環障害
- 問題10
- 解答 1
うっ血の種類
1. 肺うっ血:心不全細胞や肺の褐色硬化を呈する。
2. 肝うっ血:にくずく肝となる。
3.下肢うっ血:下大静脈の枝が圧迫され発生。下肢表在静脈に静脈瘤を形成する。
4.肝硬変症:門脈圧亢進症となり、食道静脈瘤や直腸静脈瘤、腹水、メズーサの頭の出現。
- 問題11
- 解答 3
漏出性出血を呈するもの ⇒ 慢性うっ血 敗血症
破綻性出血を呈するもの ⇒ 外傷性出血 胃潰瘍 十二指腸潰瘍 肺結核 脳出血
- 問題12
- 解答 1
浮腫の成因
1.血管透過性の亢進
2.毛細管圧の上昇
3.低アルブミン血症(低タンパク血症)
4.リンパ管閉塞
進行性病変
- 問題13
- 解答 1・4
生理的再生が明瞭のもの ⇒
表皮細胞 造血細胞 生殖細胞 胃腸粘膜細胞
神経細胞・心筋細胞・筋細胞は再生能力のない永久細胞である。
肝細胞や唾液腺などはある条件かで生理的再生をおこなう 。
- 問題14
- 解答 2
炎症
- 問題15
- 解答 2
炎症反応
細胞組織障害
↓
炎症起因物質放出
↓
血漿血管収縮による虚血(蒼白)
(=炎症の第一相反応)
↓
末梢血管拡張による充血(発赤)
(炎症の第二層反応)
↓
血管透過性の亢進
↓
炎症性浮腫
↓
血球滲出(好中球から組織へ遊走される)
- 問題16
- 解答 3
肉芽組織 →
各種炎症反応の過程で、組織欠損部を埋める組織
肉芽組織形成後、瘢痕組織へ移行する。
肉芽組織構成要素
1. 線維芽細胞
2. 新生毛細血管
3. 炎症細胞
形成された肉芽組織は、時間の経過とともに線維芽細胞が線維細胞へ
新生毛細血管や炎症細胞は消退していき、膠原線維と置き換わる。
- 問題17
- 解答 2
セロトニンは血管収縮・血圧上昇作用を持っている。
その他の炎症起因因子(ヒスタミン ブラジキニン ロイコトリエン プロスタグランジン)は、血管透過性亢進 血圧下降 血管拡張作用である。
- 問題18
- 解答 2
炎症細胞=白血球と捉える。
好中球、リンパ球、単球の順に多く存在する。
- 問題19
- 解答 1
炎症の分類
1)滲出性炎
2)増殖性炎
3)特異性炎
滲出性炎:炎症に際し、何らかの滲出物を認めるもの
- ①
- 漿液性炎:漿液の滲出を認めるもの
→ 体腔、結合組織、肺胞などの炎症 - ②
- カタル性炎:粘液の滲出を認めるもの
→ 呼吸器、消化器粘膜の炎症 - ③
- 線維素性炎:線維素(フィブリン)の析出を認めるもの
→ ジフテリア(咽頭偽膜形成) 偽膜性大腸炎 線維素性心外膜炎(絨毛心) - ④
- 化膿性炎:好中球の滲出を認めるもの
→ 膿瘍 蜂巣炎 蓄膿 - ⑤
- 出血性炎:赤血球の滲出を認めるもの
→ 丹毒 猩紅熱 - ⑥
- 壊疽性炎:壊疽を認める炎症
→ 肺壊疽 壊疽性虫垂炎 壊疽性胆嚢炎
増殖性炎:細胞増殖が前面に出る炎症(肉芽組織の増生が目立つもの)
→ 肝硬変 萎縮腎
特異性炎(肉芽腫性炎):特異的な炎症(肉芽腫を形成する炎症)
- ①
- 結核 → 結核結節形成(乾酪壊死巣 類上皮細胞 ラングハンス巨細胞など)
- ②
- 梅毒 → ゴム腫形成
- ③
- ハンセン病 → らい腫
- ④
- サルコイドーシス
- 問題20
- 解答 1
炎症の分類
1)滲出性炎
2)増殖性炎
3)特異性炎
滲出性炎:炎症に際し、何らかの滲出物を認めるもの
- ①
- 漿液性炎:漿液の滲出を認めるもの
→ 体腔、結合組織、肺胞などの炎症 - ②
- カタル性炎:粘液の滲出を認めるもの
→ 呼吸器、消化器粘膜の炎症 - ③
- 線維素性炎:線維素(フィブリン)の析出を認めるもの
→ ジフテリア(咽頭偽膜形成) 偽膜性大腸炎 線維素性心外膜炎(絨毛心) - ④
- 化膿性炎:好中球の滲出を認めるもの
→ 膿瘍 蜂巣炎 蓄膿 - ⑤
- 出血性炎:赤血球の滲出を認めるもの
→ 丹毒 猩紅熱 - ⑥
- 壊疽性炎:壊疽を認める炎症
→ 肺壊疽 壊疽性虫垂炎 壊疽性胆嚢炎
増殖性炎:細胞増殖が前面に出る炎症(肉芽組織の増生が目立つもの)
→ 肝硬変 萎縮腎
特異性炎(肉芽腫性炎):特異的な炎症(肉芽腫を形成する炎症)
- ①
- 結核 → 結核結節形成(乾酪壊死巣 類上皮細胞 ラングハンス巨細胞など)
- ②
- 梅毒 → ゴム腫形成
- ③
- ハンセン病 → らい腫
- ④
- サルコイドーシス
免疫
- 問題21
- 解答 3
細胞性免疫反応
Tリンパ球系細胞による免疫反応
ヘルパーT細胞 サプレッサーT細胞
細胞傷害性T細胞による。
液性免疫反応
Bリンパ球系細胞による免疫反応
Bリンパ球から分化した形質細胞が分泌する
抗体を使用する。
- 問題22
- 解答 4
液性免疫
抗体(免疫ブログリン)を産生し、抗体により免疫反応を行う免疫
Bリンパ球が分化した形質細胞が抗体を産生する。
産生抗体
1)IgG
2)IgA
3)IgE
4)IgM
5)IgD
細胞性免疫
Tリンパ球系細胞が直接免疫反応を行う免疫
Tリンパ球系細胞
1)細胞障害性T細胞
2)ヘルパーT細胞
3)サプレッサーT細胞
4)NK細胞、K細胞
- 問題23
- 解答 1
ディジョージ症候群 ⇒ 細胞性免疫不全
伴性無ガンマグロブリン血症 ⇒ 液性免疫不全
重症複合型免疫不全症 ⇒ 細胞性・液性免疫不全
- 問題24
- 解答 3
Ⅰ型アレルギー疾患(アナフィラキシー反応)
気管支喘息 花粉症 蕁麻疹 食物アレルギー アトピー性皮膚炎
Ⅱ型アレルギー疾患(細胞障害型反応)
異形輸血 不適合輸血 胎児性赤芽球症 特発性血小板減少性紫斑病
Ⅲ型アレルギー疾患(免疫複合体型反応)
血清病 免疫複合体病
Ⅳ型アレルギー疾患 (遅延型反応)
ツベルクリン反応
Ⅴ型アレルギー疾患(刺激型反応)
バセドウ病
腫瘍
- 問題25
- 解答 4
良性腫瘍と悪性腫瘍の特徴
良性腫瘍 | 悪性腫瘍 | |
増殖形式 | 膨張性 | 浸潤性 |
増殖速度 | 遅い | 早い |
周囲との境界 | 明瞭 | 不明瞭 |
転移 | しない | する |
再発 | 少ない | 多い |
分化度 | 高分化 | 低分化 |
異型性 | 弱い | 強い |
核分裂像 | 少ない | 多い |
- 問題26
- 解答 1
- 問題27
- 解答 2
- 問題28
- 解答 3
インスリノーマはインスリン分泌細胞の腫瘍化により、インスリン分泌が増加した状態となるために、低血糖状態を呈する。
- 問題29
- 解答 2
上皮性良性腫瘍:乳頭腫・腺腫
上皮性悪性腫瘍:癌腫(扁平上皮癌・腺癌・移行上皮癌・未分化癌)
肉腫は、悪性非上皮性腫瘍である。
カルチノイドは腺癌に分類され、類表皮癌は扁平上皮癌である。
- 問題30
- 解答 1
上皮性良性腫瘍:腺腫、乳頭腫
非上皮性良性腫瘍:~腫となっているもの(脂肪腫、横紋筋腫、血管腫など)
上皮性悪性腫瘍:扁平上皮癌 腺癌 移行上皮癌 未分化癌
非上皮性悪性腫瘍:~肉腫となっているもの(骨肉腫 脂肪肉腫 横紋筋肉腫など)
先天性異常
- 問題31
- 解答 4
DNA構成塩基:アデニン シトシン グアニン チミン
RNA構成塩基:アデニン シトシン グアニン ウラシル
相同染色体 :染色体が対になっている様
対立遺伝子 :相同染色体上で対(対応)している遺伝子
ホモ接合 :対立遺伝子が同質な場合の接合
ヘテロ接合 :対立遺伝子が異質な場合の接合
優性遺伝子 :ホモ接合でもヘテロ接合でも形質の発現が認められる遺伝子
劣性遺伝子 :ホモ接合においてのみ形質発現が認められる遺伝子
- 問題32
- 解答 2
X染色体劣性遺伝疾患
血友病 緑赤色盲 伴性無γグロブリン血症
常染色体優性遺伝疾患
マルファン症候群 レッグリングハウゼン病 結節性硬化症 家族性大腸ポリポージス
常染色体劣性遺伝疾患
脂質蓄積病 糖原病 ウィルソン病 重症複合型免疫不全症
- 問題33
- 解答
常染色体異常疾患
ダウン症(21トリソミーによる数的異常)
猫泣き症候群(第五染色体の欠失による構造異常)
性染色体異常
ターナー症候群(性染色体の数的異常)
クラインフェルター症候群(性染色体の数的異常)
如何でしたでしょうか。一年間にわたり主要教科の問題解説をお送りしてきました。
後2週間程で本番です。今年お送りした解説の部分や昨年度のバックナンバーを確認して、抜けている部分はしっかりと抑えるようにして下さい。
解剖、生理、一般臨床、病理、柔整を抑えておけばかなり自信も持てますし、当日、余裕を持って試験に臨めます。
それでは皆様のご活躍を祈念しております。
●プロフィール
西村 雅道
医学博士 柔道整復師 鍼灸師 柔道整復師専科教員免許
一社)日本整体協会インストラクター
北斗総合整骨院院長