柔道整復師国家試験対策【第17回:解剖学全範囲】
解答
- 問題1
- 解答 2
細胞膜の成分はリン脂質と蛋白質からなります。
- 問題2
- 解答 3
鼻軟骨は弾性軟骨、関節円板や恥骨結合は線維軟骨です。
硝子軟骨組織は肋軟骨・関節軟骨・気管軟骨があります。
- 問題3
- 解答 1
脳神経とそれが通る孔はしっかり覚えておきましょう。
嗅神経:篩骨篩板
視神経:視神経管
動眼&滑車&眼神経&外転神経:上眼窩裂
上顎神経:正円孔
下顎神経:卵円孔
顔面&内耳神経:内耳孔
舌咽&迷走&副:頚静脈孔
舌下神経:舌下神経管
- 問題4
- 解答 1
上顎骨には4つの突起があります。
①前頭突起(鼻腔と眼窩を隔てる)
②頬骨突起(側頭骨にもある)
③口蓋突起 ④歯槽突起(下顎骨にはない)です。
ちなみに側頭骨にも3つ突起があります。
①乳様突起
②茎状突起
③頬骨突起です。
- 問題5
- 解答 3
眼窩を構成する骨は7つあります。
上部:前頭骨
下部:上顎骨&口蓋骨
内側:篩骨&涙骨
外側:頬骨
中央:蝶形骨
- 問題6
- 解答 2
広背筋は胸背神経支配です。
- 問題7
- 解答 4
手根管内を通るもの:
①浅指屈筋
②深指屈筋
③長母指屈筋
④正中神経
手根管の上を通るもの:
①橈側手根屈筋
②長掌筋
③尺側手根屈筋です。
※運動学では橈側手根屈筋も手根管内を通ります!
- 問題8
- 解答 1
大動脈弓は腕頭動脈→左総頚動脈→左鎖骨下動脈の順に枝を出す。
- 問題9
- 解答 3
毛細血管以外、差はあるが、平滑筋を含んでいる。
- 問題10
- 解答 1
殿筋を栄養する血管は内腸骨動脈の直接枝の上殿、下殿動脈である。外腸骨動脈栄養するような気がするかもしれませんが引っかからないようにしてください。
- 問題11
- 解答 4
- 問題12
- 解答 1
十二指腸潰瘍の好発部位は十二指腸球部(上部)です。
ちなみに球部は十二指腸のなかで一番広く、粘膜に輪状ヒダを欠いています。
- 問題13
- 解答 1
カントリー線は肝臓下面の大静脈溝と胆嚢窩を結んで出来る線で肝臓を機能的に二分します。
カントリー線による区分では方形葉と尾状葉は左葉に存在します。
- 問題14
- 解答 3
カロー三角は肝臓下面・総肝管・胆嚢管の三者で囲まれる三角で、胆嚢動脈はこの三角内を走ることが多い
- 問題15
- 解答 4
肺尖は鎖骨の上方2~3cmほどに及びます。
心圧痕は左肺に著明です。右肺の上葉と中葉は水平裂で分けられます。
- 問題16
- 解答 2・3
腎小体 = 糸球体 + ボーマン嚢
ネフロン = 腎小体 + 尿細管
→ ネフロンは腎臓の機能単位となっている。
- 問題17
- 解答 2
尿の流れ
糸球体⇒ボーマン嚢⇒尿細管⇒集合管⇒腎杯⇒腎盂(腎盤)⇒尿管⇒膀胱⇒尿道
糸球体・ボーマン嚢は腎小体と呼ばれ、腎小体と尿細管をネフロンと呼ぶ。
ボーマン嚢中には、被蓋細胞(タコ足細胞)存在している。
- 問題18
- 解答 2
尿の生成順序
糸球体→ボーマン嚢→近位尿細管→ヘンレのわな→遠位尿細管→集合管→腎杯→腎盂(腎盤)→尿管→膀胱→尿道
となる。
因に、腎小体の存在箇所は腎皮質中であり、ヘンレのわなは腎髄質中に存在している。
- 問題19
- 解答 3
尿管の生理的狭窄部位
1)腎盤から尿管への移行部(尿管起始部)
2)小骨盤入口部(総腸骨動静脈交叉部)
3)膀胱壁貫通部
以上の三カ所である。
- 問題20
- 解答 2
精丘:尿道前立腺部内にある隆起
→左右の射精管か移行している。
尿道の区分
1)壁内部→膀胱括約筋が存在
2)前立腺部→射精管が開口
3)隔膜部→カウパー腺の存在、尿道括約筋が存在
4)海綿体部→尿道内の最長部
- 問題21
- 解答 4
- 問題22
- 解答 2
卵巣は、卵細胞、卵胞の発育を担う器官であり、卵巣提索と固有卵巣索により固定される。
卵巣は卵巣間膜を有しており、実質部は卵巣皮質と卵巣髄質により構成される。
卵胞の発育は卵巣皮質で行われており、原始卵胞→二次卵胞→胞状卵胞→成熟卵胞の順で発育し、成熟卵胞時に卵細胞を腹腔へ排卵する。
排卵後の卵胞は、黄体となりルテイン細胞を有し黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する。
- 問題23
- 解答 4
肝臓はホルモン産生を行わないために、内分泌器官ではない。
一般に内分泌器官といったら、下垂体・甲状腺・松果体・副腎・膵臓 をさす。
また、精巣や卵巣もホルモンを分泌する。
- 問題24
- 解答 2
膵臓は内分泌細胞、外分泌細胞の両分泌細胞をもつ器官である。
腹膜に覆われておらず、後腹膜器官である。 膵臓の内分泌細胞は集団をなし、膵島(ランゲルハンス島)を作る。
膵臓内分泌細胞
1)A細胞:グルカゴン分泌
2)B細胞:インシュリン分泌 → 最も多い。
3)D細胞:ソマトスタチン分泌
膵島は、膵臓の膵尾部に多く存在している。
- 問題25
- 解答 2
脳幹:間脳 中脳 橋 延髄
小脳や大脳は脳幹には含まれない。
- 問題26
- 解答 1
運動性言語野: 前頭葉
感覚性言語野: 側頭葉
運動野: 前頭葉
体性感覚野: 頭頂葉
視覚野: 後頭葉
聴覚野: 側頭葉
- 問題27
- 解答 3
- 問題28
- 解答 3
間脳は視床と視床下部よりなる中枢神経
視床の働き
1)感覚伝導路の中継核:嗅覚以外のすべての感覚は大脳皮質に至る前に視床を経由する
Ex:外側膝状体 内側膝状体 腹側基底核群
2)運動系の中継核:小脳、大脳基底核からの情報を受け、運動野に送る
3)意識水準の調節:脳幹からの神経線維を受け、意識水準の調節を担う
視床下部の働き
1)本能行動:飲水、飲食、性行動などの発言に関与
2)自律神経系の最高中枢:自律機能の中枢
3)ホルモン分泌:下垂体是尿ホルモンを調節するホルモンを産生分泌
- 問題29
- 解答 4
延髄に存在するもの
1)後索核:深部感覚の伝導路の中継核
2)弧束核
3)オリーブ核
4)舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経に関係する核
※三叉神経、外転神経、顔面神経、内耳神経に関係する脳神経核は橋に存在。
延髄にある主要な中枢
1)呼吸中枢
2)循環中枢(血管運動中枢など)
3)唾液分泌中枢
4)せき、くしゃみ中枢
- 問題30
- 解答 1
脊髄前角:運動神経細胞(α運動神経細胞・γ運動神経細胞)
脊髄側角:自律神経細胞(胸髄・腰髄:交感神経細胞、仙髄:副交感神経細胞)
脊髄後角:感覚細胞の二次ニューロン
- 問題31
- 解答 4
深部感覚:
筋・腱・関節等で受容させる位置覚・振動覚であり、その受容情報を大脳感覚野まで投射する経路を深部感覚伝導路(後索路・内側毛帯路)という。
深部感覚(筋紡錘・腱紡錘等)⇒ 末梢神経(感覚性)⇒ 脊髄後索 ⇒ 延髄後索覚(薄束覚・楔状束核) ⇒ 反対側の内側毛帯へ ⇒ 視床 ⇒ 体性感覚野
視床下部は伝導路に関与していない。
- 問題32
- 解答 3
錐体路:
随意運動の伝導路(大脳皮質運動野から脊髄運動神経細胞)
錐体路の主たる経路
① 皮質核路
大脳皮質運動野→内包→脳幹を下行しながら脳神経核へ
② 皮質脊髄路
大脳皮質運動野→内包→中脳大脳脚→橋の腹側部→延髄錐体→延髄錐体交叉→脊髄側索→脊髄前角運動神経細胞
- ※
- 錐体路以外に運動の調節に関与する伝導路として錐体外路がある。
錐体外路
1)赤核脊髄路
2)網様体脊髄路
3)前庭脊髄路
4)視蓋脊髄路
- 問題33
- 解答 4
三叉神経の主たる働きは感覚性と運動性の働きがあるが、三叉神経をそれぞれ見ていくと。
三叉神経第一枝(眼神経):感覚性
→ 眼球各部と前頭部の皮膚感覚
三叉神経第二枝(上顎神経):感覚性
→ 上顎部、上歯部、頬部、鼻腔粘膜部の皮膚感覚
三叉神経第三枝(下顎神経):感覚性と運動性
感覚性→下顎部、下歯部、口腔粘膜、舌部の感覚
運動性→咀嚼筋(咬筋 側頭筋 外側翼突筋 内側翼突筋)支配、舌骨上筋群の一部
- ※
- 表情筋を支配するのは顔面神経の運動性線維である。
- 問題34
- 解答 2
神経線維には体性神経と内臓神経が存在する。
それぞれ、感覚情報を伝導する感覚性(求心性)線維と運動指令情報を伝導する運動性(遠心性)線維がある。よって、体性求心性神経・体性遠心性神経・内蔵求心性神経・内蔵遠心性神経の4種に分類される。
体性求心性神経:
皮膚・筋肉・骨の表在感覚(触・圧・痛覚)と深在感覚(位置覚・振動覚)を伝導
体性遠心性神経:
骨格筋への運動指令を伝導
内臓求心性神経:
内臓感覚を伝導する
内臓遠心性神経:
心筋、平滑筋、分泌腺への運動指令を伝導
内臓遠心性神経は大きく、交感神経と副交感神経とに大別される。
筋皮神経・脛骨神経・頚神経ワナは体性神経系の神経である。
骨盤神経は内臓性(自律神経性)の神経であるため、骨格筋は支配していない。
- 問題35
- 解答 4
仙骨神経叢の枝
上殿神経、下殿神経、坐骨神経、後大腿皮神経
腰神経叢の枝
腸骨下腹神経、腸骨鼠径神経、陰部大腿神経、大腿神経、閉鎖神経、外側大腿皮神経
腕神経叢の枝
内側外側胸筋神経、肩甲上神経、肩甲下神経、肩甲背神経、長胸神経、内側上腕皮神経、内側前腕皮神経、鎖骨下筋神経、胸背神経、腋窩神経、筋皮神経、正中神経、尺骨神経、橈骨神経
頚神経叢の枝
頚横神経、小後頭神経、大耳介神経、鎖骨上神経、頚神経ワナ、(横隔神経)
- 問題36
- 解答 2
皮膚は三層構造を呈しており外側から表皮、真皮、皮下組織となっている。
表皮:
重層扁平上皮であり、表層から角質層、淡明層、顆粒層、有棘層、基底層となっている。細胞分裂旺盛な部分は、有棘層基底層からなる胚芽層である。
メルケル触覚円板(メルケル板)、自由神経終末が存在する。
真皮:
密性結合組織からなる層である。
マイスネル小体が存在する。
皮下組織:
疎性結合組織と脂肪組織からなる層である。
ファーテルパチニ小体が存在する。
- 問題37
- 解答 1
- 問題38
- 解答 2
外眼筋について
1)上直筋 → 動眼神経支配
2)下直筋 → 動眼神経支配
3)内側直筋 → 動眼神経支配
4)外側直筋 → 外転神経支配
5)上斜筋 → 滑車神経支配
6)下斜筋 → 動眼神経支配
7)上眼瞼挙筋 → 動眼神経支配
この7つうち、4直筋が総腱輪から起始している。
- 問題39
- 解答 3
内耳:半規管・前庭(前庭嚢・卵形嚢)・過牛
耳小骨は中耳に存在する。
- 問題40
- 解答 4
体表から触知できる骨部は、皮膚表面に突出している骨部が一般的である。
小転子は筋層に埋もれているために体表からの触知は一般に困難である。
- 問題41
- 解答 3
上腕深動脈は拍動をふれない。
- 問題42
- 解答 4
タバチエール:長母指伸筋と短母指伸筋の間に出来る窩である。
いかがでしたでしょうか。
今回で解剖学は終了となります。
まずは、昨年度のバックナンバーのポイントをしっかりと履修し、その後再び今回提示した3回の問題を取り組んで下さい。その後、国家試験の過去問大なので知識を確実なものとして頂ければと思います。
●プロフィール
西村 雅道
医学博士 柔道整復師 鍼灸師 柔道整復師専科教員免許
一社)日本整体協会インストラクター
北斗総合整骨院院長