柔道整復師国家試験対策【第14回:病理学 ―炎症~先天性異常編―】
腫瘍・先天性異常
- 1)
- 良性腫瘍と悪性腫瘍の特徴を答えよ
良性 | 悪性 | |
---|---|---|
発育形式 | 膨張性 | 浸潤性 |
壊死傾向 | 乏しい | 強い |
悪液質 | ない | ある |
分化度 | 高い | 低い |
異型性 | 弱い | 強い |
転移 | ない | ある |
核分裂像 | 少ない | 多い |
- 2)
- 腫瘍の一般的色調は何か、黒色、黄色、黄褐色(褐色)を呈するのは
灰白色~白色
黒色:悪性黒色腫
黄色:脂肪腫
黄褐色:腎細胞癌
- 3)
- ホルモン産生腫瘍は何があるか、またその分泌物、症状は
肺小細胞癌:ACTH:クッシング症状
インスリノーマ:インスリン:糖尿病症状
褐色細胞症:カテコルアミン:高血圧
- 4)
- 腫瘍マーカーとその疾患を答えよ
胎児性癌抗原(CEA):大腸癌
αフェトプロテイン(AFP):肝細胞癌
CA19-9:膵癌 胆嚢癌 胆管癌
hCG:絨毛癌
PSA:前立腺癌
- 5)
- ウィルスによって発生する腫瘍とウィルス名を答えよ
EBウィルス:バーキットリンパ腫・鼻咽頭癌
ヒトパピローマウィルス:子宮頸癌・陰茎癌
HTLVウィルス:成人T細胞白血病
- 6)
- 放射線との関連の強い癌は何があるか
白血病、皮膚がん、甲状腺癌、乳癌、胃癌
- 7)
- 上皮性良性腫瘍には何があるか
乳頭腫(ポリープ)、腺腫
- 8)
- 上皮性悪性腫瘍には何があるか
扁平上皮癌、腺癌、移行上皮癌、未分化癌
- 9)
- 非上皮性良性腫瘍には何があるか
上記以外で~腫となるもの
脂肪腫 血管腫 骨腫 軟骨腫 など
- 10)
- 非上皮性悪性腫瘍には何があるか
白血病、上記以外で~肉腫となるもの
骨肉腫 軟骨肉腫 血管肉腫 など
- 11)
- 扁平上皮癌でしか使われない言葉をあげよ
癌真珠、上皮内癌、基底細胞腫
- 12)
- 腺癌でしか使われない言葉をあげよ
カルチノイド
- 13)
- 小児がんには何があるか答えよ
腎芽腫(ウィルムス腫瘍) 肝芽腫 神経芽腫
- 14)
- ウィルムス腫瘍とは何か答えよ
小児の腎癌
- 15)
- グラビッツ腫瘍とは何か答えよ
成人の腎癌
- 16)
- 腫瘍の転移には何があるか答えよ
血行性、リンパ行性、播種
- 17)
- 血行性転移の代表例を答えよ
胃癌→肝転移
肝癌→肺転移
肺癌→脳転移
甲状腺癌→肺転移
- 18)
- リンパ行性転移の代表例を答えよ
上腹部の癌→左鎖骨上窩リンパ節転移:ウィルヒョウ転移
- 19)
- 播種性転移の代表例を答えよ
癌性胸膜炎 癌性腹膜炎 クルッケンベルグ腫瘍 シュニッツラー転移
- 20)
- 相同染色体の意味を答えよ
対に存在している染色体の様
- 21)
- 遺伝子の座の意味を答えよ
染色体上に存在する特定の遺伝子の位置
- 22)
- 対立遺伝子の意味を答えよ
相同染色体で対応している遺伝子
- 23)
- ホモ接合、ヘテロ接合を答えよ
ホモ接合:対立遺伝子が同質なもの
ヘテロ接合:対立遺伝子が異なるもの
- 24)
- 単因子遺伝疾患にはどんなものがあるか
X染色体劣性遺伝によるもの
常染色体優性遺伝によるもの
常染色体劣性遺伝によるもの
- 25)
- 多因子遺伝疾患にはどんなものがあるか
糖尿病、高血圧、痛風、統合失調症、躁うつ病など
- 26)
- 常染色体優性遺伝疾患にはなにがあるか
マルファン症候群、レックリングハウゼン病、結節硬化症、家族性大腸ポリポージス
- 27)
- 常染色体劣性遺伝疾患にはなにがあるか
先天性代謝異常、脂質蓄積症、糖原病、ウィルソン病、重症複合型免疫不全症
- 28)
- 性染色体遺伝疾患(X染色体伴性劣性遺伝)には何があるか
血友病、緑赤色盲、伴性無γグロブリン血症、進行性筋ジストロフィー症
- 29)
- 染色体の構造異常用語には何があるか
欠失、転座、逆位
- 30)
- 染色体の数の異常用語には何があるか
モノソミー、トリソミー
- 31)
- 常染色体の数の異常の疾患を答えよ
ダウン症候群(21トリソミー)
- 32)
- 常染色体の構造の異常の疾患を答えよ
猫鳴き症候群(第5欠失)
- 33)
- 性染色体異常疾患を答えよ
ターナー症候群
クラインフェルター症候群
- 34)
- 催奇形因子を答えよ
ウィルス 放射線 薬物 酸素欠乏など
- 35)
- 奇形成立臨界期はいつか
妊娠3-10週
- 36)
- 外表奇形、内臓奇形を説明せよ
外表奇形:体表面上の奇形、外見上見られる
内臓奇形:内臓器の奇形
- 37)
- 二重体用語を記せ
寄生体 紙様胎児
いかがですか?炎症、免疫44題、腫瘍、先天性異常37題のお送りしました。病理学の今回の部分からは、炎症2題、免疫2題、腫瘍2題、先天性異常2題の計8題が出題されている傾向にあります。また、炎症、免疫、腫瘍からは必修問題としても出題されています。この部分を制する者は病理学を制するといっても過言ではありません。確実にものにできるように取り組んでください。
さて、いよいよ国家試験までのわずかとなってきました。4月から解剖学、生理学、一般臨床医学、柔道整復学、病理学の計5教科の主要ポイントをお送りしてきました。これら5教科に関して、はっきりとお伝えします。私がお送りしたもの以外は実施する必要性はありません。(解剖学の筋骨格系は別ですが)。残りわずかな日数ですので、捨てる部分と捨ててはいけない部分を明確にする必要があります。この5教科はこの部分のみで十分と高得点が獲得できるはずです。しかしながら、この5教科のお送りしてきた内容を把握していないとおそらく合格は見込めない可能性が高いとも言えます。しっかりと頭に入れるようにお願いします。残り期間で実施してもらいたいことを列記します。(また、第1回、第2回の投稿内容も是非もう一度読んでみて下さい)この戦略は、私が専門学校時代に、残り2週間で合格のボーダーラインに達していない、もしくはギリギリの学生を対象に実施していた内容です。この方法以外ないというものとなっています。
- 解剖学、生理学、一般臨床医学、病理学、柔道整復学は、提示している部分をすべて答えられるようにする。
- 残りの教科(運動学、衛生学、関係法規、整形外科、外科、リハビリテーション)は、過去10年分(時間がない場合は最低でも過去5年分)の出題されている問題をしっかりと履修する。
履修するとは、それぞれの問題を解説できるようにしておくということです。(基本的には必修問題の出団範囲のみで十分です) - +柔道整復学に関しては、過去5年分を実施しておく。(私がお送りしている部分は必修問題の出題範囲のみだからです)
- 基本的には、以上の3つの内容の精度を上げておけば問題ないのではと思います。まだほかにやることがあるのなら、毎年の合格率上位校、在京ならば東京柔道整復専門学校、西ならば米田柔道整復専門学校などの模擬試験などを入手できる方はしていただき実施してみることもよいでしょう(大前提としては上記の1~3をやったうえでです)。
ここから当日までは、不安な日々が続くと思いますが、自分が合格するイメージをしっかりともって、当日自分がしっかりと問題を解けていけていることをイメージして勉学に励んでください。ネガティブなイメージや思いは、勉強の効率を著しく下げてしまいます。上記3つ遂行する為に、しっかりと残りの日数のスケジューリングをして取り組んでください。
それでは健闘を祈ります。
●プロフィール
西村 雅道
柔道整復師、鍼灸師、柔道整復専科教員、医科学修士
北斗総合整骨院院長 (一社)日本整体協会NSTインストラクター、柔道整復師、鍼灸師、、柔道整復専科教員、医科学修士
平成15年より平成26年まで学校法人杏文学園東京柔道整復専門学校に在職、同校の国家試験対策を牽引。また国家試験対策塾『杏文塾』の代表として同塾を運営。著書に一般臨床ポイントマスター。現在北里大学大学院博士課程に在学。