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第40回近畿学術大会京都大会が開催!

2015/10/07
『草原に架かる虹を追って』
-公益社団法人日本柔道整復師会 モンゴルでの記録-

(公社)日本柔道整復師会国際部・金井英樹氏、本間琢英氏

草原に架かる虹を追って

まず初めに金井氏から、モンゴル国の医療状況について説明があり、〝近年、国際評価基準をみたす病院が建設され、益々高度医療・先端医療が進んでいく中、モンゴル国で頻度の多い外傷は、柔道整復師が得意とする症例ばかりです。急成長する中央の医療と裏腹に地方医療は相変わらず医療インフラが整備されていない。特に第一医療を担うバグの医師が適切な治療を施せるようになることが大切で高度な医療機器を必要としない柔道整復術はモンゴルの医療にとって大きな効果をもたらすのではないかとして柔道整復術普及プロジェクトが始まりました〟など、活動目的等についても報告が行われ、次に本間氏から、皆さんに知っていただきたいこととして、〝平成18年から活動が開始されましたが、実際はそれ以前から活動は始まっていました。現在のこのプロジェクトは、日整の資金だけではなく、ODA・JICA等国から約2億円の支援を受けています。国が日本柔道整復術の有効性、必要性を認めて国民の税金が投入されています。外務省が抜き打ちで調査した我々の事業に対する評価は○Aという高い評価を受けています。これまでモンゴル全域で活動を続け、再講習会・スキルアップ講習会を実施。ウランバートルでの市民公開講座では、250名以上の方々が参加されています。プロジェクト終了後は指導者候補の5人を中心にモンゴルでの普及活動を担っていくことになります。モンゴル語の柔道整復術テキストブックとハンドブックを発行しました。モンゴル語で保存療法に関する専門書が出されたのは10年以上前ということで、モンゴルの医療機関の人々、大学、学生にとって貴重な教科書となっています。その後外傷に対する徒手治療の数が非常に増えてきているというデータが上がっています。また、日本研修は年2回、整形外科と柔道整復施術所で2か月間の研修を行っています。最近の出来事では、モンゴルの国民医療百科事典に「柔道整復術」という文言が記載され、モンゴルの医療の中に「柔道整復術」という言葉が入ったことは、今までの活動の大きな成果であると思っています。先月の派遣でモンゴル国立医療科学大学の学長が、日本大使・保健大臣の前で来年9月、大学に柔道整復学科を創設すると明言されました。また地方の県立病院、保健所からの要請文〝来年でこのプロジェクトは終わりますがモンゴルの地方の事情として更に普及活動を続けて頂くように国を通じてお願いしたい〟というものが沢山来ており更に増えることが予想され、いよいよ我々が念願としてきたことが一つ一つ実現に向けて走り出したという実感を強くもっております。プロジェクトの最終的なゴール地点は、モンゴルの各医療機関で柔道整復術を用いた外傷治療がスタンダードになることで、その上位目標を目指すにはまだまだやらなければいけないことが沢山あります。我々は日本人として、日本の柔道整復師としてこの素晴らしい技術を世界に発信するという強い意志で今まで活動してきました。またこれからも頑張ってやっていきたいと思っています〟と志高く明言した。

 

この後、第一会場では、近畿超音波画像観察小委員会より演題発表・一般発表、第2会場では養成校学生によるポスター発表、第3会場では、近畿超音波画像観察小委員会による活動報告、第4会場では日整保険部介護対策課・川口貴弘氏による介護保険に関する発表が行われた。

表彰

学術功労賞表彰者は、兵庫県・根來信也氏、滋賀県・伊部正記氏の2名。発表表彰者は、滋賀県・梅田周司氏が受賞した。 閉会式が行われ、学術委員長・綾田剣一氏より、〝今回の大会では、新たな試みとして一般の方に特別講演に参加して頂いたり、府民スペースを設けたり、柔道整復師の活動や歴史を知って頂くため展示もしました。私たちの業界を取り巻く現状は厳しいが、地域の人々に我々の学会活動に参加して頂き、柔道整復師のことを深く周知、理解して頂くことが我々の業界を明るい方向へ導いてくれると信じています〟。司会の奈良県・福本善之先生、和歌山県・古久保成紀先生、兵庫県・長山誠先生、滋賀県・川戸典知先生、京都府・田中弘昭先生等、共に支え助けてくれた方々を紹介し、皆さんにお礼と感謝を述べた。

 

最後に〝近畿は一つです。来年の奈良大会も素晴らしい大会になると信じております〟と力強く宣言し、無事終了した。
今学会の参加人数は1,016名、一般参加人数58名であった。

 

 
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