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(公社)日本柔道整復師会 第38回近畿学術大会兵庫大会 開催

2013/11/16

去る2013年10月27日(日)、兵庫県神戸市の神戸芸術センターにて『公益社団法人日本柔道整復師会第38回近畿学術大会兵庫大会』が開催された。

大会は(公社)滋賀県柔道整復師会会長でもある中江利信大会実行副委員長の開会宣言によって開会。開会挨拶にて登壇した(公社)日本柔道整復師会・工藤鉄男会長は〝今、この業界は日本の社会保障の変化と共にあり方を変えなければいけない状況に来ている。皆さんも承知の通り、病院完結型の医療から地域完結型の医療、すなわち病院で最終的に完結するものではなく、自宅において地域の人達が皆で助け合える社会保障を作っていこうという流れになっている。現在の日本柔道整復師会会員約1万7000名だけでは、少子高齢者に向けた新たに国が取り組む社会保障の変革にはとてもついていけない。日本柔道整復師会は全ての柔道整復師を結集させるような仕組みを今検討している〟と、国が目指す新しい社会保障制度に伴い、業界も変化が必要であることを熱弁。業界一本化に向けて日本柔道整復師会が動いていることを示唆した。また、2020年に開催が決まった東京オリンピックにも触れ、〝途上国の選手たちに対し、日本医師会などと共に日本文化から生まれた医療技術をおもてなしのひとつとして提供できるよう、国に働きかけを行なっていく。柔道道整復師の社会保障の中での位置づけ、そしてスポーツ分野での位置づけを確立することによって、7年後の柔道整復師の姿は大きく変化するだろう〟と、スポーツ分野での柔道整復師の地位確立にも熱意を滲ませた。

 

次に主催者代表として大会実行委員長でもある(公社)兵庫県柔道整復師会・萩原隆会長より〝皆様と共に大いに学び、今日一日が必ず明日からの施療に役立つ内容になると信じている。今大会より大会スローガンを『深まる探究心、高まる行動力』とし、新たな柔道整復師の活動を模索し、将来への原動力となるような学会運営を目指しており、この兵庫大会を機により魅力あるレベルの高い学会になればと願っている〟との歓迎の挨拶、プログラム紹介があり、続けて来賓祝辞へと移った。

 

来賓祝辞では兵庫県健康福祉部健康局長・野原秀晃氏により〝我が国は本格的な人口減少社会を迎えた。兵庫県の人口は30年後には90万人減少して470万人程度になると見込まれている。これからは少子高齢化がもたらす地域格差の拡大、グローバル化への対応といった課題に積極的に取り組んで行かねばならない。こうした中ひとりひとりがいきいきとした生活を送るために最も基本となるのは健康である。兵庫県では、県民の健康づくりを推進するため、本年4月に策定した「兵庫県健康づくり推進実施計画」に基づき、県民一人ひとりが主体性をもって健康の保持増進に取り組むとともに、健康づくり関係者、事業者、行政等が相互に連携・協働して県民の健康づくりを支援していく。柔道整復の技術は人間が本来持っている自然の治癒力を促す伝統的な医療として、地域の中に脈々と受け継がれてきた。近年では怪我の回復のみならず、介護予防のための運動機能訓練に活用されるなどその役割はますます大きくなっている。本日ご参加の皆様が最新の技術や研究活動によって得た情報を共有され、今後より質の高い地域医療の実現にご貢献いただくことを心から期待したい〟と、井戸敏三兵庫県知事のお祝いのメッセージが代読された他、神戸市保健所長・伊地智昭浩氏からは矢田立郎神戸市長の祝辞の代読、兵庫県労働局局長・前田芳延氏より柔道整復師の地域医療貢献に関する感謝、本学会の成功を祈念する内容の祝辞が送られ、来賓紹介、祝電披露、会員表彰の後、特別講演へと移った。

 

特別講演では愛知医科大学医学部教授・中野隆氏による『機能解剖で斬る運動器疾患-解剖所見と画像所見による骨折・脱臼、軟部損傷のメカニズム-』と題した講演が行なわれた。中野氏は〝現在はエビデンスを求められる時代である。伝統的な方法論だけではなく、柔道整復師が自らの考えで科学的な方法論を展開し、自らが培ってきた知識と技能を検証しなければならない〟とし、大腿骨頚部骨折や橈骨遠位端骨折、de Quervain病などを例に挙げ、多数の症例やスライドを用いてそのメカニズムを解りやすく解説。講演後には参加者から投げかけられた多くの質問に熱心に対応していた。

 

特別講演後は会場を4つに分け、会員による論文発表、養成校の生徒や教員によるポスター発表、近畿ブロック大会の特色である超音波画像観察委員会の活動報告、(公社)日本整復師会保険部介護対策課による講演が行なわれ、非常にバラエティーに富んだ学術大会は閉会式の後、盛会の中幕を閉じた。

 

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