柔整ホットニュース
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東日本大震災から1年 復興への願いを込めて!
【(社)宮城県柔道整復師会会長・豊嶋良一氏】
―今回の震災を経験されて以前のマニュアルを変更されたことはありましたか。
臨機応変なる対応が求められたことは確かですが、基本的マニュアルの変更はしていません。しかも行政が我々の「災害ボランティア対策本部」の役割を完全に認めて受け入れていただいておりましたから。
―地元の方にも信頼され警察の方たちにも信頼されているということですね。
道場を持った"ほねつぎ"という町医者的な歴史はもとより、県内24警察署全てとの、宮城県沖大震災にも備えた「子供とお年寄りの避難所」がありますから、行政からの信頼を基に、コミュニティーの中心的な役割を担えたと思っております。
―被災者に係る一部負担金の免除は、患者さんにとって救援策となったと思いますが、柔道整復の先生たちにとってはどうでしたか。
被災者患者様にとっては大変有難い対応だったと評価しております。療養費に関しては一部負担金を2月末で終わりとなりましたが、切ったというよりも他の医療を9月まで延長させたということが行政側の言い分でした。日整や各県でも交渉してきましたが、このような結果になりました事は不本意なことであったと思っています。本当に被災者の方々の為を考えるのであれば、ちょっと違うのではないかなと思っております。
―今後会としてどのように復興に向けて頑張って行かれるのかをお聞かせください。
宮城県の村井知事が復興計画基本方針を4つ出しておりまして、それに対し我々社団として、かつ部分医療を業とする柔道整復師として、何ができるか、何をするべきかついて当会の地域支援事業に位置づけて答えを出しております。
それは、
- ①
- 県民一人一人が復興の主体、総力を結集した復興:被災者が自分の力で飛び出すことの出来る活路、所謂「滑走路」の準備の実行及び被災者の主体的健康感に全面的支援する。
- ②
- 「復旧」にとどまらない抜本的な「再構築」:住みよい街づくりにおける環境整備への全面的支援を実行する。
- ③
- 現代社会の課題を解決する先進的な地域づくり:人口の減少や少子高齢化に対して、先進的な地域を創り上げるために全面的に支援する。
- ④
- 壊滅的な被害から復興モデルの構築:地域包括ケア構想にある予防、介護、医療、住まい、生活支援サービスの充実を実現させるために、生活圏に対し全面的に支援する。また、復興とは、以前の状態から更なる飛躍を遂げることである。其の復興モデルの構築に全面的に支援する。
所謂、我々社団の公益活動として、または、本業である部分医療の能力を発揮し、これから復旧・復興に対してできる限り協力していくということです。
―これから本格的に高齢化が物凄い勢いで進みます。相当の活躍を見せて頂けると思って期待しています。
この高齢化の視点は、地域で安心安全を基として、生活基盤を整備することが使命と感じております。我々、柔道整復師だけで環境整備をするのではなく、各種医療関係団体の他業種連携からなる一つのチームとして、複合的な生活支援医療サービスを提供することが大切だと思います。
現状の宮城県で表現してみると、今回被災して仮設住宅に住んでいる方、若しくは独居老人になっている方が急激に増加したことが統計でだされております。
我々柔道整復師は部分医療を業としており、被災者の方がより復興に近づける為の対策として、宮城復興局、宮城県、市町村などの関係行政と連携して、「生活不活発病リスト対象者」の方々に対する地域の包括キュア&キュア体制を確立し推進しております。
この目的は、予防・介護・医療・住まい・生活支援サービスの概念にもある、見守り・閉じこもり・ひきこもりに柔軟に対応できる医療のプロが活躍することが重要なのであって、例えば、牛乳屋さんや新聞屋さんが見守るのではなく、医療関係者が回って歩くようなシステムづくりが重要と言うことです。
宮城県は復興特区の一つですから、今後の医療と介護の一体化モデルになると思います。今、宮城県は、行政と組みながら、みやぎ「復興支援人」協動プロジェクト~はればれ教室~を、復旧に代わる復興の足掛かりとして推進しているところです。
(文責・編集部)
河北新聞2011年12月25日掲載記事
県柔道整復師会県と災害協定
県は、社団法人「県柔道整復師会」(豊島良一会長、会員約380人)と大規模災害時の医療救護活動に関する協力協定を締結した。協定は全12条。骨折や脱臼、ねんざをした被災者への応急処置や医療救護チームの補助、会員が開業する施術所の緊急避難場所としての提供など、4項目を明記した。柔道整復師は国家資格の一つ。各地で整骨院や接骨院などを開業している。震災後は各地の避難所で、エコノミークラス症候群や生活不活発病の予防に向け、体をほぐすなどのボランティア活動を展開した。豊島会長は「(協定締結で)阪神大震災以来の長年の課題が実現した。一生懸命頑張りたい」と話す。岡部敦県保健福祉部長は「技術を生かし万一の際には、被災者の支援に協力してほしい」と語る。