柔整ホットニュース
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第1回「柔道整復師の保険治療とは何か」と題し勉強会が開催される
小木曽:
私はボランティアで柔道の救護をしておりますが、例えば柔道の試合は転んで受け身をするのが普通ですが、試合になると受け身をすると負けてしまうので受け身をせずに手をつくんです。手をつくと内側側副靭帯を痛めます。これは急性のものになります。では亜急性・反復性のものは何かといいますと、5~10試合ずっともろ手の背負い投げをすると1回では痛くなりませんが100回、200回行うとこの靭帯の内側が反復される刺激で徐々に靭帯が痛んできて、同じ靭帯の損傷になります。これが所謂亜急性というものです。これは学生の時に柔道整復理論を勉強する本にもきちんと「反復性、或いは蓄積性のものをいう」という定義がありますので、反復するものは亜急性の靭帯損傷というふうに考えて良いと思います。
本多:
どの程度の反復性があった場合に急性と同じような症状が起こるのですか?人によっても年齢、性別、その他によっても色々違うと思います。でも大体の枠組みはあるのではないでしょうか。その裏付けを作らなければいけません。これをどういう形で作っていくかという事がこの保険医療に組み入れられるか組み入れられないかの基準になる。先生方が反復や累積だという事の量的な客観的な基準を明示していないから、そこに批判の矢が刺さっているのではないかと私は思っているのですがどうでしょうか?
福岡:
中高年の方々の腰痛、これもオーバーユースしてきた因子があるのです。関節も柔軟性がなくなり、筋肉も弱くなってきている。そして骨粗鬆症のように骨自体の密度も低くなってくる。そういう怪我をいつでも起こしやすい。いつもなら15分の草取りを1時間やった、晴れたからお布団を干そうと階段をたくさん上り下りした。運動の量と質と言いますが、そういった日頃行われないような作業があったのかどうかという事も腰痛になる背景として考えます。
本多:
私はそこを施術録か何かにきちんと記載し、第三者の判断にきちんと耐えられるような説明ができていればそれほど大きな問題にはならないと思います。きちんと施術録にお書きになったり、或いはきちんと見たうえで診断していればオーバーユースというのは十分に通る可能性が高いと思います。そういう意識をもった治療を行うことが判別の中で私は必要だと思います。
打撲・捻挫・挫傷の区別
本多:
捻挫と挫傷はどこが違うんですか?
小木曽:
筋肉だけを痛めている場合は、挫傷という言葉を使った方がより一般的ではないでしょうか。ですが腰部捻挫という言葉は多いけれども腰部挫傷という言葉はあまり使われていないですね。
諸星:
腰部挫傷を使い始めたのは最近なので、使っている先生はおりますがまだまだ腰部に関しては腰部捻挫、腰部挫傷、腰椎捻挫の3種類が主です。
福岡:
どちらかというと私は腰部に捻挫は起きえないという論者です。障害を持ったらその制限が捻挫であったとしても生理的な範囲を超えない部分で発生しますが、関節そのものがどの角度まで動くのが正常なのかというのは非常に表しにくい。もうひとつは腰部というのは体幹の中でも骨盤と上半身、下半身をつないでいる元となっていますので、大きな筋肉が背部であれば起立筋という首からずっと続いた筋肉と、それから下部の方で言えば腰椎の前弯についている大腰筋というインナーマッスルが大腿骨についているわけです。そのひとつの関節を動かすために大きな筋肉が作用してしまっている、これが捻挫を起こすというのは非常に考えにくい。ただ椎間関節の障害として起きてくるものは考えられる。腰部に限って言えば、通常の関節の動きというのは必ず拮抗する。ひとつの筋肉は縮んでもう一方は伸びる。体幹である腰部の場合は、内側の縮もうとする筋肉とそれを徐々に解放していかなければいけない筋肉にブレーキがかかった場合に緊張した状態でぐっと曲げた時に内圧がかかってしまい、筋・筋膜が炎症を起こすようなダメージが来る。これも腰痛症の非常に特定的な発生原因になっています。
本多:
腰部捻挫は学問的にはあるかもしれないけれども、臨床的にはほぼないんだろうという判断なのでしょうか?
河野:
だいたい皆さんの仰られる通りで腰部の捻挫といえばほとんど軟部組織系かと思っています。ですから先ほど言われたように挫傷が一番ふさわしいと考えます。