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第1回「柔道整復師の保険治療とは何か」と題し勉強会が開催される

2012/04/01

平成24年3月11日(日)午後2時より、柔道整復師センターにおいて「柔道整復師の保険治療とは何か」というテーマのもとに、JB日本接骨師会・患者と柔整師の会共催の第1回勉強会が開催された。

開催当日は東日本大震災発生からちょうど1年にあたることから、最初に犠牲者への哀悼の意を表し、被災地の復興を祈る黙祷が捧げられた。

続いて、日本整形外科学会臨床整形医会にて以前発表された近畿大学医学部整形外科教授・浜西氏の意見が読み上げられた後、腰痛症をテーマとした議論へと移った。

 


腰痛患者への対応、医師との連携

諸星:
腰部に疼痛のある患者さんが来た場合にどういう対応をしますか?テスト法や症状の見方、または最初は問診票を見て問診や触診等、その方法をご披露頂ければと思います。

小木曽:
まずは患者さんが入ってきた時の歩き方を見ます。普通に歩いてこられるか、そうではなく痛くてやっとで来るか。急性・亜急性を問わず痛みの強いものに関しては、動けないですし無理に動かすことは良くないので、それ程最初に検査はしません。RICEが基本です。安静のまま冷やして、疼痛緩和のために微弱電流等の電流治療をします。痛みが3~4日で落ち着いてくると周辺の筋肉に柔道整復師の筋肉をほぐすような治療を加えます。だいたい1週間~10日間位で治癒できるような形です。

菅俣:
神経の当たっている状態によってどの角度が本人にとって一番安静な状態なのかは違います。疼痛性側弯で斜めになってしまっている人もいれば、もしくは脊柱管狭窄症で歩幅が小さくなっている人もいれば、もっと脊椎の脳に近い方で問題があり足取りがおぼつかない人もいます。そういうレベルの人が入ってきた場合にはお話だけして早く救急の方に回します。とにかく入ってきた時から私達は患者さんを診ています。

荒井:
まずは急性か慢性かの判断です。急性の場合、原因がはっきりしているから比較的解りやすい。ところが慢性は徐々に具合が悪くなっていきます。私は明確にはどこの靭帯を痛めたとかいうのは正直言ってわかりません。従って私は最初に来られた時には、患者さんにはある程度のことはお話しますが、きちんとした診断はしておりません。治療していくうちにどこを傷めているかが分かります。それを基に患者さんにはこういったことが原因ではないでしょうかとお話します。それでも良くならない場合は、一度整形もしくは内科の先生に行って診断をしてもらってくださいと言います。

本多:
今、仰ったように原因がはっきりしない、或いは自分の治療では効果が上がってこないとわかった時に専門医に回すとのことですが、その時は何か症状の説明書のようなものを書いて患者に渡して病院に行ってくるように指示をされるのですか?それとも単にここでは診られないから他の所に行ってきなさいと指示をされるのか、その辺りは如何ですか?

菅俣:
初診の動き、運動痛、圧痛、徒手検査で自分の所に合わないと判断した時には紹介状を書かないことが多いです。まずは病院で診てもらってくださいと伝えます。その場合うちは初検の料金しか頂きません。ある程度2週間なり様子をみて、経過的に検査をした方がいいという時には紹介状を書いて、行って頂いています。

荒井:
私は内科に懇意にしている先生がおり患者さんに説明をして内科疾患と思われる場合はそこに行ってもらっています。患者さんがお年寄りであればその方が行っているかかりつけの病院があるのでそこで診てもらうようにしています。その時は私の方から患者さんには口頭でこういう検査をしてもらった方がいいのではないか等の説明をしております。特に文章としては書いておりません。

 

急性・亜急性と反復性

本多:
腰痛症がある時、これは捻挫であるということをどういう基準で判定するのですか?関節に対する捻挫はないのだから、関節の所に痛みがある、その痛みが起きた原因はこういう事であるとはっきりした原因があるもの以外にも捻挫を招来するものがあるのかという事を聞きたい。

福岡:
正直申し上げて腰部捻挫というのはほとんど発生しないでしょう。私達の負傷名は、腰部の痛みに関しては腰部打撲と腰部捻挫しかありません。しかし新鮮な外傷の捻挫だということはきわめて少ないと思います。逆にオーバーユースという言葉がありますが、一部分の筋肉や関節に繰り返し負担がかかっていった中で、脊椎の筋に炎症が発し深部に痛みが発生して起きる。このように私は反復されたもの、もしくは累積された外傷が実は特に腰痛のもとになっていると私は思っております。

 

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