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(社)京都府柔道整復師会・大西会長、「傷病名問題」を語る!
―社会保障審議会医療部会の答申では、柔道整復師等の療養費について、審査体系の強化などその適正な支給を求める意見が多かったこと、会計検査院からも指摘を受けていること、療養費は国民医療費の伸びを近年上回って増加している現状などを踏まえ、平成24年療養費改定において適正化するとともに、関係者による検討会を設け、中・長期的な視点に立って、柔道整復師の在り方の見直しを行なう。 とした答申内容ですが、この答申を受けたことにより、厚生労働省として「療養費の見直し」を検討せざるを得なくなり、中・長期的な観点から、柔整療養費の根本を再考することになり、現在、厚生労働省において検討されているようですが、多部位施術(3部位)・長期施術(3ヶ月以上)・頻度が多い施術(月に10日以上)に対して、保険者調査を強化する。これらの申請書に対して、被保険者・施術者に文書照会や聞き取り調査を行い、過剰・不備であると認められた場合には、不支給扱いとする取り組みを考慮しているとされているとお聞きします。とにかく大変な事態が予想され、もっと緊迫感をもって業界一丸となって対処すべきことと思います。大西会長ご自身のお考えをお聞かせください。
療養費が国民医療費の伸びを上回って増加している現状と審査体系の強化、適正な支給とは関係が薄いと思いますが、現状では一連の柔道整復バッシングから柔道整復=不正請求の図式が出来上がってしまい、柔道整復について知識の浅い方々には柔道整復師の意見を素直に聞いていただけるかといえば疑問です。また、社会保障審議会医療部会をはじめ行政が行う会議等において、柔道整復師が直接意見を言える場は限りなくゼロに近いのではないでしょうか。確かに柔道整復に理解ある議員の先生や行政の方々も大勢いてくださり、会議等で柔道整復に対し好意的な意見を述べていただいていることと存じますが、医師会や看護師会のように同じ資格を持つ同志が議員として会議等で直接意見を言えることが理想だと常々思っています。現状では柔道整復師の資格を持つ国会議員はいませんので、先に述べた連合協議会を結成し不正請求の排除を徹底するとともに、柔道整復師の代表が様々な会議に出席して意見を言えるようになることが必要だと思います。
(文責・編集部)
プロフィール
大西 辰博
日本武道館日本古武道協会所属起倒流柔術(滝野派)、(公社)日本柔道整復師会代議員、日本柔道整復師協同組合代議員、(公社)日本柔道整復師会近畿ブロック会理事、京都府柔道連盟常任理事、京都府柔道整復師会柔道連盟理事長、京都府医療推進協議会理事、京都医療関係団体連絡協議会副会長、京都府柔道場連盟顧問、京都市伏見地域介護予防推進センター長。