柔整ホットニュース
特集
今注目のJB日本接骨師会 八島参事・伊藤氏にお聞きしました!
―今回出されている試案について、今のところ寄せられている意見では主にどういったものがあるんでしょう?
伊藤:
9月末くらいにこの試案をペーパーにして、それを持って保険者さんを訪問することにしましたが、構想を図式化してキチンとしたトータルの試案になったものを見ていただいて、〝1年半でよくここまでやりましたね〟や〝よくここまで考えられましたね〟と再度訪問した保険者さんからそう仰っていただいております。この試案の中味に関しては〝ここはどうなの?〟という小さな疑問点を質問されることはありますが、反対意見は殆ど言われておりません。ただ、〝これをどう実現するんですか?〟とは聞かれます。ということは、試案そのものが良いからこういう疑問が出てくると受け留めております。そして〝実現するにはどうするんですか?〟ということと、中でも一番よく言われるのが〝業界側がどうするのか?纏まるんですか?どうやってやるんですか?〟という様に、「いいですね!」と言われた後に必ずくっついてくる言葉です。
八島:
そもそもこの試案がどういう経緯で出来てきているかということを理解していただきたいんですね。昨年の2月28日から保険者訪問を始めて、保険者さんが何を考えているかということを追求してきました。制度というものは、利害関係者達にバランスよくあるべきです。この受領委任払い制度に関する利害関係者というのは柔道整復師・患者・保険者の3者になりますが、しかしながらこの3者にバランスよくメリットを与えられているかというと、保険者回りをすることによって、そうでは無かったことが判明しました。柔整師は他の医療職種の中でも受領委任払いを使えるという既得権があり、あん摩・鍼灸・マッサージ師と比較すると数段のメリットがあります。患者さんにとっては准保険制度みたいなものですから一部負担金だけを支払えば良いため、かかるのが簡単です。ところが、繰り返しになりますが保険者回りをして気がついたことは、個人請求者が増えて事務が煩雑になり手数料がどんどん増えるというデメリットばかりが出てきていた訳です。それではいけないということで、改革するにあたっては、保険者さんにやや重心を置いたかたちでの改革試案にしなければいけないと気がつきまして、そういう内容の試案になっています。従って認定制度をキッチリ打ち出し、その上で登録を行う。支払機構審査制度も第三者機関で実施するという仕組みづくりが出来上がってきました。つまり、保険者さんサイドに寄った試案にしたということです。ただし、そのことによって同時に柔整師の不正・不当の問題も減っていく形にしていきたいとして、認定制度並びに審査のあり方を徹底して考えてきました。
―柔整師さん側から見ると、保険者の顔色をうかがいながらやっているようにしか見えないという意見もありますが?
伊藤:
顔色をうかがっているのではなく、今までは全くコミュニケーションが取れていなかった訳です。保険者さんにしてみれば、高圧的にいつも言ってくる人たちが何人かいるというだけで話も出来ないような状況で、事務的な部分においても他の医科に比べると柔整は負荷がかかっているため、その部分だけでも歩み寄るということを業界側がしなければいけないのではないかと私は思います。
―正しいやり方だと思います。キチンと意見を聴取されながら、それと併せてどういうふうにしていったら良いかという案を打ち出されているわけですから。
八島:
制度が継続しなければ、どう仕様もないのであって、当会会長の五十嵐がよく言っているのは、〝いま柔整師が変わらなければ制度は持たない〟と。その辺の認識の持ち方だと思うんですよ。今まで通りやっていたのでは受領委任払い制度というのは本当にダメになる恐れがありますし、その辺の認識が薄い人が業界にはまだまだ多いということが言えるのではないでしょうか。
伊藤:
私たちが打ち出している試案というのは、最終的に柔整師の先生方に返ってくる良いことだと思うんですね。医科歯科も問題はあります。でもこの業界がもし一生懸命やって保険者に歩み寄って良い制度をつくって良い形で残っていけば、もっともっと良いものになると思います。認めている保険者さんもいるわけですから。
―今後の予定で具体的に決まっていることがありましたらお聞かせください?
八島:
九州保険者会議が1月29・30日に福岡で開催します。東北はもう少し暖かくなって5月の連休明けくらいに開催しようと考えております。当面今年いっぱい間違いなく活動していくと思います。我々の意見が100%通るということではないにしても、何らかの形で改革らしいものがはっきり見えてきた時には我々の活動も終わるのかもしれません。
―総括会議で本多弁護士の発言だったと思いますが、来年はもっと展開をテンポ良く実施に結び付けていきたい、まず出来ることからやっていきたいというご意見だったと思いますが、実施することで分かっていらっしゃるところがあれば教えてください。
八島:
昨年の12月1日にも民主党の大島九州男参議院議員が厚生労働委員会の中で話されましたが、認定制度の件に関しては我々も早めに手をつけようと思っております。ただこれを実施するにあたっては、試験財団に行ってもらうのが筋だと思いますし、試験財団の協力がどうしても必要で、何度も伺ってお願いしており、理事会にかけていただくことになっております。そもそもこういうことは先ほども話しましたように公益社団さんと一緒にやっていくのが一番良い訳で、それで行政も動いてくれるというのが本来の形なんだとは思いますが、なかなかそうはなりません。しかし我々は懲りずに公益社団さんと交渉を続けていきます。
―今まで保険者さんをいっぱい訪問されてきて、最初に訪問した時と、会議を何回も重ねてから訪問した時では、反応は違ってきているのですか?
八島:
伊藤:違うと思います。最初は私たちも手探りで行っていたので紙にも落としておりませんでした。再度訪問して試案が書かれている文書をお見せすると「ずいぶん真面目に考えていらっしゃる団体があるので安心しました」と言ってくださる保険者さんもいました。随分違ってきているという風に感じます。JBではなく業界の団体として、好印象に思って頂いているのではないかと思います。
(文責・編集部)
※敬称は略させていただきました。