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今注目のJB日本接骨師会 八島参事・伊藤氏にお聞きしました!

2012/01/16

―そうですか。では厳しい意見を教えて下さい。

伊藤:
厳しい意見は沢山あります。簡単に紹介させて頂くと、この1071件は北海道から博多までの広域なため若干地域性があります。関西地区の評判が非常に悪く、関西は不正請求が多い。例として部位転がしであったり長期施術が多かったりと怪しい請求が多いので、より厳しくする方法がないか。もう一つは、保険治療が出来るものと出来ないものを事前にはっきり区別して施術しなければいけないのではないか。白紙委任状に署名させているところも指摘されており、更には代筆でないのかとか。あと一つ、柔整師側が一番問題にしているところだと思いますが、患者照会というのは確認のために患者さんに行なっているものであるということでした。というのも、柔整師さんに問い合わせをすると電話の対応が非常に悪い。従って、照会は患者さんにかけているとのことでした。支払いに関してはあくまで保険者側の判断であり、請求が全て支払われるものではないということを柔整師側に理解してほしい。あと例えば警察共済さんでは、不審な請求があり返戻したが、通常であれば再請求してくるはずだが、再請求して来ない。それは裏を返せば、請求をして通れば得をした、儲けたという類の所謂不正請求ではないのかと。受領委任が出来るから不正が出来るのではないかとした受領委任払いそのものが不正の温床になっているという指摘も多々あり、ルールが守られないのであれば償還払いにするべきだろうという声もあります。ある保険者さんは自己負担分が7割で保険請求は3割にする等、縛りをもっと厳しくしない限り濫用が増えていくことは避けられないし防げないとも言われました。他には個人請求者が非常に増えていることに対して、どうしても事務的に煩雑になり、事務的な負担がかからないように支払基金のような機関の設立を望むという声が特に健保組合さんから多くありました。

 

―ある健保組合さんが総括会議で〝5つ以外はやっていないということでいいんですね?〟と念を押されていましたね。

八島:
非外傷性なんてとんでもない話で、元々認めていないという話でした。実はあの後、その方に会いに行きまして、そこで話をさせて頂きました。勿論、非外傷性は認めないという主張は強くされていらっしゃいました。そこは変わりません。しかし話していく中で、非外傷性は現に扱っており、本当の外傷は2・3割で、もしかすると7・8割が非外傷性のものであるという実態を、いま柔整師の方々も本当のことを言いだし始めました。ということは、仮に非外傷性を扱うとなった場合にも、今よりもっと請求額が増加するのではなく、決して我々は無闇に業務範囲を拡げろと言っているのではない、我々が提案していることは、これまでグレーとされていたものを白くしましょうと言っているんですという話をさせて頂きました。また、それをやるに当たっては非外傷というのは負傷原因がはっきりしないため、傷病名は無理矢理書かない。ただし、レセプトの内容はもっと詳細かつ正確に書く必要があり、項目を増やして、保険者さんがそのレセプトを見ることによって、どういうところが痛んでいるのか、どういう治療をしているのかがよく分かるようなものにしていかなくてはならないと思っていますという話をした時には、〝それは良い事だ〟と仰っていただけました。ということもあり、その辺からまた妥協点が見出せないかと思っているところです。

 

―接骨院へのかかり方というパンフレット等にスポーツ外傷はダメですよ、慢性のものはダメですよと書かれていて、受診抑制に繋がるとも言われていますが。

八島:
しかし今のルールの中では、ああいう書き方しか出来ないのかもしれません。そういう疾患ではないものも多く扱っているという現実を、行政が早く理解をして、実態に基づいたルール変更をしなければいけないのです。ルールというのは、後からついて来るものであり、この受領委任払いの制度が出来た当時とは生活様式が様変わりしてしまっておりますので、やはり今の実態に即したルールに変革することは、自明の理であると考えます。

伊藤:
否定的な意見ではないんですが、個人請求が増えたこととやはり同じで、この業界は統一されていないということを凄く指摘されます。あまりにも柔整団体が多すぎて、3人位で団体を作ることも可能だそうで、柔整師団体を作るにあたって何人以上いなければいけないといった規約が全く何もないというのが現状です。結局、受領委任払いという制度は三者のメリットがあって実施されている訳ですので、先ほど述べましたように個人請求が増えたことで保険者さん側にメリットがなくなってきてしまっているんですね。例えば1つの団体に20人分振り込めばいいものを20人の柔整師個々に一つずつ振り込むかたちになってしまっており、その事務的な部分だけでも何とかしてほしいという声が多々ありました。