柔整ホットニュース

特集

『患者と柔整師の会』主催の総括会議開催!

2011/12/01
総括会議後半

司会進行役のJB日本接骨師会専務理事・諸星眞一氏から〝接骨院の臨床現場と現行の制度が大きく乖離していることで一連の問題が発生している。制度そのものを再認識し、より実態に則したものに変革する必要がある。試案等について忌憚のない意見を伺いたい。ディスカッションに入る前に本多氏に「柔道整復師療養費受領委任払制度改革第二次試案」の理念について伺いたい〟とあり、本多氏は〝第二次試案は、1年半くらい前に作った基本試案を基に、保険者の方々の辛口の意見を取り入れ、支払者側の保険者に軸足を置いて改革を実現することが最も現実的な改革になると考えた。個別の療養費受領委任払請求を規律する仕組みが全くできていないことが現行制度の根本の欠陥と認識し、新しい規律の仕方を考えることがこの構想の根本にある。保険者が使い勝手の良い療養費受領委任払制度をどう構築していくか。ひいては患者さんも使いやすい、利用しやすい、柔道整復師の先生方もこれに従った規律のある施術が出来るようになる〟等、理念を説明、また〝業界の中で多少の出血はやむを得ない〟とも明言した。

柔整師側から、▽この試案が実行された場合、日整さんの協定はどうなるのか?また、個人請求者の柔整師はどうなるのか?▽この改革案を進めていった場合、保険者と柔整師の費用の負担はどうなるのか?▽非常に凄いスピードで柔整師の数が増えており、このまま放っておくと業界は潰れる、この認定制度というのはその歯止めになるのではないかと期待している。医者との併療で道を開いて頂くような制度にしていただきたい等、意見が出された。
それらに対し、〝新しいものを作るより今の既存団体を残して、日整さんなら日整さんにこのシステムを取り入れてもらう。日整さんの仕組を変えるような改革案ではない。個人請求の方々については、公的な資金で治療する認識をまず持ってもらいたい。これがないとこの制度は全く話にならない。その認識を持たないと、この制度はキチンとした形で国民の支持を得られない。何処かの団体に入ることを強制できないため、登録をしてもらう。保険者の負担は全くゼロということになる。療養費は現物給付とは全く違う制度であり、柔道整復師の療養費は、現物給付ではなく現金給付である。そもそも保険者が費用を負担するケースはない。個人の柔道整復師の場合は、登録料と登録した業界団体が申請する手数料が発生するのは避けられない〟。

健康保険組合M氏から〝全ての保険者会議に参加した訳ではないため勝手な事を申し上げるが失礼をお許しください〟として〝保険者としては、認定制度はとやかく言うことではないが療養費に関しては意見は異なる。1つは外傷性のものともう1つは非外傷性のもの、現在この分野については保険の対象ではない。これに関しての請求は一切ないということでよろしいですね?〟と念をおし〝これは鍼灸マッサージの領域を侵す分野で抵触しかねない。両方の免許を持つ人も制約があり問題になる。保険者としては2つ目の案は基本的には論外だと考える。おやりになるなら自費でお願いします。もしそういう患者さんが来られたら、是非この点だけは誤解のないよう、これは対象ではありません。もう1点、私どもでも500件位毎月あり、小さな健保でもそれ位あり、全部集まれば何万件何十万件という請求書を10人位でフル稼働しても全体をみることは出来ない。実質的な審査は多分出来ないと考える〟等の意見。
健康保険組合I氏から〝実務をしていて一番難しいのは申請書の判定ですが、この構想にはあまり納得できない。余計に不正、訳のわからない申請書が増えるのではないか。もう少し詰めて頂ければ、より良いものになるのではないか。保険者からの意見があまり反映されていないのではないかと思う〟という意見もあった。
この意見に対し本多氏から〝非外傷性の疾病について、整形外科医が診察はご自身でされるが、整復治療は柔道整復師や理学療法士を補助者として行っている。また、非外傷性の疾病患者さんは、整形外科しかかかれないのか。そういう人たちが徒手整復で治療を受けたいというニーズにどう答えているのかという問題がある。必ずしも柔整師の治療は効果がないと言いきってしまうのは早すぎると私は考える。もう少し、現場、現状を見て頂きたい。もう1つ、柔道整復師の治療内容を規律することを前提として、非外傷性についても光を当てる、表に出すことによって、きちんとした料金の請求を行えるようにすることが健全である。コンピュータと個別審査、具体的に審査を中身の濃いものにしていけば、短い期間でやれるだろう。二重の審査を謳っている訳で、今までの審査とは全く変わったものを作り上げていきたい〟と答え、〝この制度は、法律で作るものではなく、協定や個別契約の内容を保険者の方のご理解とご支援を賜って、変えながら個別に了解をとれる保険者さんから少しずつ契約を組み直してもらって実施していきたい。〟と纏めた。