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特集

痛みの診える柔整師【接骨・鍼灸こうふく】

2011/10/01
超音波画像による症例の解説

※使用機器:
超音波診断装置:EUB-7500(日立メディコ社製)
画像処理ソフト:ウルトラ三四郎Ver.5

 

〔症例1〕足関節内反損傷による踵腓靭帯損傷

患  者 :17才、男、サッカー部
原  因 :内反損傷による。
所  見 :踵腓靭帯(CFL)、前距腓靭帯(ATFL)、腓骨筋腱に圧痛、腫脹。
エコー所見: ATFLには著明な異常エコー像は見られない。踵腓靭帯(CFL)と腓骨筋
                    腱に、肥厚とfibrillar patternの不明瞭さが見られる。ドプラー法により
                    炎症血管の豊富な血流が見られる。
経過観察 :負傷後4日、炎症血管の減少が見られる。

~ 負 傷 翌 日 の エ コ ー 画 像 ~

踵腓靭帯(CFL、白矢頭)と腓骨筋腱(白矢印)に肥厚が見られ、CFLのfibrillar-patternは不明瞭。
ドプラー法により炎症血管の豊富な血流が見られる。

踵腓靭帯(CFL、白矢頭)と腓骨筋腱(白矢印)に肥厚が見られ、CFLのfibrillar-patternは不明瞭。
ドプラー法により炎症血管の豊富な血流が見られる。

~ 健 側 と の 比 較 ~

踵腓靭帯に対して長軸走査。
踵腓靭帯(白矢頭)の肥厚だけでなく、腓骨筋腱(白矢印)の腫脹も見られる。また、腓骨筋腱が腓骨から一部剥離していることがわかる。この剥離が高度になった場合、「腓骨筋腱脱臼」となると考えられる。

 

〔症例2〕上腕三頭筋腱炎

患  者 :47才、女
原  因 :特に誘因を覚えていない。
主  訴 :屈曲時の左肘から上腕部後側の痛み。
所  見 :肘関節の屈曲時痛と上腕三頭筋遠位付着部の圧痛、屈曲時痛。
                    腫脹は見られない。

~ 発 症 当 日 の エ コ ー 画 像 ~

肘関節後方長軸走査(正中よりやや内側)。
上腕三頭筋遠位付着部の腱組織内部に、高度の血流増加を伴った、高エコー部(白矢頭)が見られる。
この高エコー部は、初期の石灰性炎と考えられる。

~ 発 症 4 日 後 の エ コ ー 画 像 ~

肘関節後方長軸走査(正中)。
上腕三頭筋遠位付着部の腱組織内部に、"より明瞭"になった高エコー部(白矢頭)が見られる。
ここまで来れば、石灰性の上腕三頭筋腱炎と判断できる画像である。