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痛みの診える柔整師【接骨・鍼灸こうふく】

2011/10/01

―X線みたいな分かり易い画像が出るようになったら導入したい。

これはよく耳にしますね。その時に僕は、CTやMRIを引き合いに出します。エコー画像と同じ断層像ですね。やはり、初めの内は読みにくいです。しかし慣れてくると、縦断面、横断面を見比べながら、3Dのイメージが浮かぶようになってきますね。これは、エコー画像でも同じです。短軸像と長軸像を同時に比較することで、徐々に3Dのイメージが浮かぶようになってきます。
分かり易い、3DのCTが登場するまでCTは導入はしない、という医師がいたとすると、分かりやすいエコー画像が出るまで導入を躊躇している人たちって、そんな医師と同じなんだろうなと、僕には思えてなりません。

 

―貴院の施術の流れの中での、超音波診断装置の位置付けとはどういうものでしょうか?

基本的に新患の方には、すべてエコー検査を行います。何らかの異常エコー像が見られた場合、1週間に一度、経過観察のエコー検査を行います。

 

―これから超音波診断装置の導入を検討される方にアドバイスをお願いします!

エコー検査を導入してかなり経ちますが、僕の場合、もしエコーが無かったら、「突き指」ですら、自信を持ってインフォームド・コンセントが行なえなくなると思います。
エコー検査導入以前、例えば、軽度の突き指と思って「全治1週間だね」と言って治療をしていたところ、思いの外、経過が芳しくない。「先生、まだ痛いですけど…」。こんな症例の場合、「使っているから良くならないんだよ」などと、よく患者さんのせいにしていました。
しかし、そのようなケースもあれば、そうじゃないケースもあることが、エコー検査を導入することで理解できるようになってきました。
掌側板の状態や、膜性掌側板下の内出血が有るか無いか。また、その遠位付着部の裂離骨折はどうか、側副靭帯の損傷程度はどうか、などなど。いずれも、処置や予後に大きく関係する情報だと分かったからです。
でもエコー検査がなくても、臨床経験から、ほぼ間違い無く治療できるのも、経験を積んだ柔整師ならではです。そこに、科学的根拠を加える事が出来れば、治療家として、さらにステータスを上げることが可能になるものと思います。また、経験の乏しい若い先生たちも、そのデータに基づいて、経験豊富な先生と同じように的確な治療、インフォームド・コンセントが可能になるのではと思います。