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中部・関西地区「柔整師会議」・「保険者会議」開催!
5月16日・「保険者会議」
はじめに患者と柔整師の会・今城代表から〝活動報告と中部・関西地区の皆様のご意見・ご提案を聞き、療養費受領委任払い制度の改革案に反映させたい〟と挨拶があり、八島事務局長より〝昨年の4月27日に柔道整復診療の療養費の受領委任払い制度改革基本試案(骨太案)を発表、認定制度のためのカリキュラム委員会を学識経験者、大学教授らと2回行った。患者会議を5回、柔整師会議を3回、神奈川県柔整師会議を1回、保険者会議を5回開催した〟等、これまでの経過報告と資料説明を行った。続いてJB日本接骨師会・澤田氏が療養費支給申請書提出から療養費の振込、送金までの流れとJB会自動審査の特徴について説明があった。伊藤職員より〝柔整師の個人請求者、団体に属していない個人請求者の先生が増えており、振込みに関して①口座登録に手間がかかる②振込み手数料がかさむ、の2つの点で困っている。支払機構は、ある程度の審査をしてほしいという意見が殆どであった〟等、多くの保険者さんの声を伝えた。
この後、静岡県の連絡員・五十嵐氏から〝静岡県全体をテリトリーとして63人の柔整師を対象に回っている。本部より発信される情報連絡、特に健康保険重要事項の変更について正確に理解されているかのフォローも行なっている。その中で柔整師の先生方に相談を受けながら問題点のアドバイスなどもしている。国保連、協会けんぽ、健保連静岡をはじめ、各健康保険組合30軒の話を伺うことが出来たが、想像以上に大変厳しい見方をされていた〟と報告があった。
司会進行・本多氏は〝日本には弁護士と司法書士がいる、公認会計士と税理士がいるように二元的な構造をとっており、国の在り方と照らし合わせると、医療界は本当に医者中心で回っていくのだろうか?柔道整復師という伝統的な医療がある。ここにもう少し光を当ててみる必要があるのではないか。この制度は社会的に支持される制度なのか、既に歴史的にその使命を終えた制度なのか。地道に、具体的に研究していく必要がある。オールオアナッシングではない、バランスのとれた社会構成が出来ないだろうか〟と自身の見解を述べた上で、受領委任払い制度は、①患者さんの経済的・手続的負担を考慮・軽減②保険者の事務負担と手数料の軽減③柔道整復師が患者を安定的に治療が出来る、この3つのメリットとバランスの中で出来あがっている。保険者さんでは全面廃止、償還払いに戻せとした強い意見、しかし一方では、柔整治療もそれなりにやって頂いて市民的なものとしては活用できる、受領委任払い制度は社会的意義を持っており内容をチェックする方法で残すべきという意見があり、両者の意見を謙虚に受け止め、どういう制度にすべきかについて研究した結果、公的な資金を受領して治療をするにはそれなりの条件整備が必要として認定制度を提案するに至った。また、労災保険は指定指名柔道整復師という制度を作り、指名された柔道整復師だけが労災保険の適用になるという歴史的な経緯があり、ヒントになった等、『療養費受領認定柔道整復師制度』(骨太案)創設までの背景を解説、議論に入った。
◇健康保険組合からの意見
▽柔整師さん、患者さん、私ども健康保険組合が同じようにギブ&テイクをしっかり弁えてやっていくことが、これからやるべきことではないのか。双方にメリットがあるから代償を払っていることを理解しなければならない。貴重な保険料が無駄にならないようなPRも我々の役目ではないか▽最近ウェブで見ると、柔整で1億円稼ぐにはどうするかとか、そんな宣伝記事がいっぱいある。面白いと思ったのは、美容柔整というのが流行ってるのか?美容柔整というのは何をやるんだろう?柔整はビジネスであり本多先生のいう医療ではなく日本では一大産業になっている。柔整さんに支払われている療養費が年間4000億円といわれており、その一大産業に、保険適用というのはどう考えればいいのか。百歩譲って保険適用はしても良いのではないかと思うが、昨年11月の会計検査院の報告書、平成5年にも報告書が出されており、そこには6割強が保険適用は如何なものかとなっている。全国1500件弱の健康保険組合が支払っている柔整療養費が340億円位で愛知だけをみると年間19億円位、その内6割は保険適用外で保険が支払われているとすると、愛知で10億は支払わなくても良いものを支払っている。これを許していいのか?3者の利便性のために全国で2千何百億も保険適用以外に保険料を使って本当にいいのか?今、東北の大震災で復興資金がいるという時に、そこに毎年2千何百億まわす、10年まわすと2兆円を超える。復興資金に回すと言えば、患者の利便性は許して頂けるという気がする。今の制度で利益を得ているのは誰なのか?犠牲になっているのは誰なのか?をよく考えた上で、認定制度が本当に良いのか、償還払いに一旦戻してから議論を始めるのが良いのか。
この後、本多氏は〝医療も産業、学校も産業、即ちビジネスである。産業と医療は相反するものではない。問題は産業、或いは事業として適切なものであるかということが重要で、名称の問題ではない。ビジネスとして捉えることは原点である〟と補足した。