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施術療養費支給申請書点検業務外部委託の現状と問題点
―その8 外部委託業者問題とは?―

2011/01/16
社団法人 岡山県柔道整復師会保険部長・塚崎康之氏に聞く!!

【質問1】
返戻レセプトの割合について、全体のレセプトの内、返戻が約何パーセント位で、その中に民間調査会社からの返戻は、どの位であったか?できれば過去と比較していただきたい。次に5年前頃から民間に委託する保険組合が徐々に増え始めたと思われるが、その実態をお聞きしたい。

日整で行われている税務経営実態調査報告書によれば、組合健保の保険取扱件数割合は全体の13.3%となっている。年々徐々に減少傾向にあるのは、組合が維持出来ず協会けんぽに移行しているためと、過剰な調査による柔道整復の支給申請の抑制にあると考えられる。 全国的に健保組合の取扱件数の占める割合を見た場合、首都圏または大都市を有する県は20%を超えており、そこに大きな会社の組合が存在することは当然である。健保組合の多くがどこかの外部委託調査会社と契約していると聞いているので、そこでは何らかのトラブルとなる確立は当然高くなる。

岡山県における健保組合の保険取扱件数は13.7%と全国の平均に近い。2年前までは返戻の全件を保険部で見直ししていたが、返戻理由のほとんどが患者照会の結果、部位の相違によるものだった。この件については会が介入しても意味が無いため、最近は件数を把握しないまま各施術者に確認と記載をお願いし再提出願っている。しかし過誤返戻を除き全体の1%にも満たない件数なので今のところ大きな問題として捉えていない。よって質問に対しデータで回答することができない事をお詫びします。

調査会社は「ガリバー」が多いと思われるが、返戻理由に他社と大差がないので、何処が良くて、または悪くてとの認識は持っていない。よって何処の調査会社多いかとの割合も把握していない。

まず、岡山県の会員には以前より一貫して再提出時に部位の削減などをして出すことを原則認めていない。また、数ヶ月経った患者さんの記憶間違いは当然であることを前提として、返戻後患者確認がとれない場合は、再度患者照会を行うよう記載し再提出頂いている。「患者の記憶より施術者の記録が正確である。」このことは会員に周知されているものと思われる。そして再提出された申請書が受理されなければ、今度は保険部が正当性について調査会社と折衝する流れを取っている。

特に新入会員に施術録の記載を指導する時の注意点として、「施術録・患者の申告・申請書」が同じでないと不正であると説明している。さらに具体的な対応として、支給申請書に自署を頂く場合、必ず施術録を患者さんに見て頂き、内容(部位や原因など)の確認および、この内容で請求するとの同意の意味で署名いただき、全くの白紙委任とならないよう指導している。 つまり初回であっても継続であっても患者さんに施術録を開示し、施術内容を理解してもらうことがトラブルの予防策である、と会員には繰り返し説明している。

 

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