柔整ホットニュース
特集
シリーズ第10弾
国保中央会5項目の提言について業界内外の論客に意見を伺う!
3.全国決済制度導入
現在、国保連はすべての市長村国保保険者から柔整療養費の審査・支払に関する業務を受託しているがその範囲は様々で社団と社団外で対応が異なる場合もあり事務処理が複雑となっている。
下記は全国の国保連の受託範囲を示している。
・審査のみ受託:4
・審査及び支払業務を受託:11
・審査支払及び資格確認業務を受託:32
ちなみに京都の国保連は「審査支払及び資格確認業務を受託」されている。
柔整療養費は実質的に現物給付がなされているが全国決済制度が導入されていないため、施術所では他県の患者さんの施術において、その地域の国保連に各々請求し、国保連は県外分の請求に事務上、多くの手間と時間を費やしている。
そこで施術所からの請求方法の統一化など全国決済制度を導入しやすい環境を整備すると共にすべてを国保連で支払業務まで受託することで被保険者・柔整師・保険者・支払機関にとって多くのメリットが出てくる。以上の理由から①全国決済制度の導入に向けた事務処理体制の整備、②保険者から国保連への審査・支払業務の委託範囲の統一を提言されている。
県外分請求の処理にかかる事務的労力は相当なものである。また、支払いにおいても団体一括、個人と様々であり、よりスムーズな処理がなされることが望まれる。
4.疑義請求対策
柔道整復では療養費の支給対象が骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷であり、細分化されていないため施術期間や施術部位、施術頻度が審査の焦点となる場合が多く、被保険者への調査を実施した上で支給の適否を判断すべきとした疑義請求については柔整審査会が保険者へ情報提供し、聞き取り調査等の推奨等をしている国保連が多いようだ。しかし、保険者としては専門知識を有し、疑義請求に対応できる人員の不足から国保連への期待が大きくなっているようである。現在の国保連の法的位置付けでは充分な機能を発揮できない問題がある。
疑義請求対策の現状は統一的になされていないが、その中でも疑義請求の頻度が高い柔整師に対し文書で注意を呼びかけている国保連が多い。不正請求対策では都道府県知事は柔整審査委員会の設置及び指導監査(通知)に基づき、柔整師に対する指導及び監査の実施に係る連絡及び調整等を行うことを目的として都道府県担当部(局)に指導監査委員会を設置することとされている。
保険者は国保連に業務を委託している場合がほとんどのため、柔整審査会からの調査勧奨を受けて被保険者等に調査を実施している場合が多い。不正請求には未受診の患者や世帯の名前を使った「架空請求」や部位数を実際より増やしたり、通院日数を実際より多くする「水増し請求」、治療部位を次々と変えて請求する「部位転がし」などがあるが被保険者への調査権限をもたない国保連での判別は難しいといった問題点がある。そうした背景で次の2つの提言がされている。
①査時に生じた疑義に対する照会体制の整備
②保険者における体制の整備
この問題は審査会の権限が明確になり、審査基準が統一されればクリアとなると考える。