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シリーズ第10弾  
国保中央会5項目の提言について業界内外の論客に意見を伺う!

2010/12/01
5項目提言の内容

提言の内容や提言された理由について解説する。

1.請求方法の統一化

①申請書等の様式の統一
給付割合や被保険者の性別、公費負担者番号等が整備されていないなど記載のない項目があり統一されていない。申請書に添付する総括票も不統一であるため補記・補筆作業に手間がかかる。
医科、歯科、調剤などが電子請求に向けての申請レイアウトの全国統一が行われているのに「柔道整復」だけがローカルルールを温存して統一出来ないというのは業界の怠慢以外何物でもないと思う。
平成23年1月1日からの新支給申請書の「統一様式」は国保連合会中央会の提言により具現化していったといっても過言でない。

②支払先等届出制の導入
県外施術所からの請求などは支払先の口座番号等を過去の記録から登録していても申請書1枚ごとの確認作業が必要になり大きな負担となっている。

③施術機関コードの新設
現在、医療機関コード番号に相当する施術期間コード番号が整備されておらず、申請書1枚ごとの確認が必要となっている。

④複数月請求の廃止
現在、「受領委任の取扱規定」で複数月請求が容認されているため、月単位と複数月の申請書が混在している。このことは事務作業上、大変困難な状況を生じさせている。

⑤請求締切日の明確化
請求締切日は国保連合会で毎月10日としているが締切日を過ぎての送付が散見され、保管に手間を要する。

 

2.審査の統一化

知事は「柔道整復療養費審査委員会(以下、柔整審査会とする)」の設置ができることが定められているが、現時点で10国保連に設置がなく、国保連では都道府県知事と全国健康保険協会支部長との協議に基づいて全国健康保険協会支部の審査委員会への審査委託や合同審査を実施している。
「誰でもどこでも同じ質の医療が同料金で受けられる」というのが日本の医療体制であった。審査基準が都道府県で異なるということは前述の医療体制条件が崩れることになる。
健康保険関連で一番大きな国保連で全国審査基準が統一されれば、その他の健康保険関連もその基準を追従すると思う。より早い審査基準の統一を望む。

①審査基準の明確化
現在、申請書は提出先や都道府県の審査基準も統一されていない。更に申請書の審査基準や記載内容が詳細でなく国保連では効果的な事務共助が実施しにくいという問題を抱えている。

②柔道整復審査会の権限について法的位置付けの明確化
現在の法的位置付けでは審査支払機関として充分な機能は発揮できないとしている。そして大きな問題として柔整療養費の審査業務の委託や柔整審査会の設置は「協定書」や「受領委任の取扱規程」の中で審査業務を委託することができるとしているが支払業務については委託への言及がない。そのため国保連が審査・支払業務を委託されている場合、委託の根拠は保険者と国保連の契約書(委託書)によっており、その中で支給決定権は保険者にあると明示され、支給決定権を含めた支払業務を国保連に委託できるのかどうか明確になっていない問題がある。その結果として疑義請求に対して各県審査会は「査定を控え」たり、また「支給決定権がない」などの対応が24国保連に及んでいる。
「査定を控え」ている理由については「返戻で対応している」「査定基準の設定が困難」「柔整審査会の権限のあり方に問題がある」という国保連もある。
また「支給決定権がない」ことの問題点としては資格等の過誤による調整金が発生した場合に相殺計算している国保連もあるが支給決定権をもたない国保連が過誤調整すること自体が違法との一部の柔整師の見解もあり理解を得難いといった問題もある。そのような状況から柔整審査会の権限の法的位置付けを明確にすべきとの提言をしている。

③審査委員選出基準の明確化
柔整審査会は「保険者代表」、「学識経験者」、「施術担当者代表」の3者の各同数で構成され国保連理事長等により委嘱されている。特に「保険者代表」と「施術担当者代表」は必ず同数とすることになっているがこの基準に合致しない都道府県もあり、明確化が望まれる。