柔整ホットニュース

特集

5項目の提言の早期実現へ『行政と業界全体で対応』

2010/06/01

これまで「請求様式の統一について」一番のネックは何であると感じていらっしゃいますか。

それは国がキチンとした形で示さないからで、示されない以上、支障がない以上、これまでのやり方で皆さん行う訳です。結局、請求する側は困らないが審査する側が困っているという話です。そういった実態をキチッと把握してそれなりの対応をして欲しいということを政府に要望している訳です。

 

「②審査の統一化」について。47都道府県の審査基準が統一されていないことや柔道整復審査会の権限の法的位置づけの明確化、審査委員選出基準の明確化を言われておりますが、時代の経緯の中で今日が在ると思っておりますし、様々な地域性も考慮しなければならないこともあろうかと考えますが、「算定基準(審査基準)の明確化」は、基本的に当然必要なことと感じます。この件に関して今までの経緯や、そのデメリットとメリットを教えてください。

審査というのは審査機関で行うわけですが、一般医科の場合、所謂国の法令に基づいてかなりキチンとした位置づけが約束されていますし、当然権限もあります。しかしながら柔整は療養費という世界でありますから、柔整の審査委員会には審査基準も含めて明確になっておりません。勿論一定の通知は出ています。しかし、その範囲内では審査をするにしても、事務処理をするにしても、また審査委員会の構成についても難しい要素が幾つもあるということです。常に私どもは一般医科と比較しながらモノを考えておりますが、療養費払いであろうが、現物給付であろうが、実質的には現物給付である療養費払いであろうが、いずれにしても医療保険者が支払うことは間違いない訳です。所謂現物給付の場合、医療保険者が支払う料金は、審査を連合会に任せて支払いをキチンと行っております。療養費なるが故に、保険者が支払う請求内容をチェックしてはいけないということにはなりませんし、チェックするために国保連合会に審査機能を持たせている訳です。その審査機能を持っている国保連合会の審査すべき委員会、審査に必要な基準等に関する通知が適切な仕組みになっていないということなんです。従って其処はキチンと審査会なり審査基準というものを示していただかないと、国保連合会審査機関が勝手に審査するということは出来ない話です。各県がまちまちであるというのもおかしな話ですから、やはり全国一律、同じ審査基準で、審査委員会の構成も一定にという話ではなかろうかと思います。それについての不徹底さというのは、国の通知に拠るところが多分にあると思われます。

 

「③全国決済制度の導入」について。全国決済制度の導入に関しては「請求方法の統一」が前提となるようですが、その辺についても分かり易くご説明ください。

これはもう分かりきった話であると思います。全国決済制度については、他の県の被保険者の部分を請求する訳ですので、その事務処理をスムーズに行うためには、請求様式の内容が一元化することによって、全国決済というシステムが上手く機能することになります。そういった意味で必要だということです。全国決済制度は一般医科では既に行われております。例えば東京の国保の被保険者である私が旅行をしたり故郷に帰ったり、仕事で全国に出かけます。たまたま旅行中に病気になった場合、其処の医療機関は昔であれば私が居住する練馬区に請求しなければいけなかった訳です。それは資格確認や練馬の被保険者なのかといった受領書の確認等も含めた事務処理が必要でした。やはりいろんな意味で不都合だった訳です。しかし全国決済システムでは、私が北海道へ行ったら、北海道の医療機関は北海道の国保連合会に請求をして、沖縄に行ったら沖縄の医療機関が沖縄の連合会に請求を行う、逆に今度は北海道の人が東京に来ることがある、沖縄の人も東京に来ることがある。その分は東京の連合会に提出する。国保中央会に全国各県から他県被保険者分の全ての請求書を提出してくれます。医療機関にとっては、常に請求をしている地域の連合会に上げれば良いので、事務的にも簡素化されますし、請求したものに対する保証、安心感もある訳です。こういったシステムが一般医科で機能しているにも係らず、柔整にはそれが無い。ですから全国決済制度を導入することによって柔整業界そのものも、所謂保険を取り扱いながらの安定感・安心感が保証されることになります。また、全国決済制度システムは、出来るだけ参加するパイが大きくなるほど動きやすくなります。