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日本柔道整復接骨医学会社会医療分科会・日本社会医療学会東京部会合同研究会が開催!
介護予防通所介護の加算
事業所評価加算100単位/月→120単位/月、生活機能向上グループ活動加算(新規) 100単位/月、運動器機能向上加算225単位/月(現行と変わらない)○介護予防通所介護 要支援1は2226単位/月→2099単位/月、要支援2は4353単位/月→4205単位/月。
小規模・短時間・機能訓練特化型は有利
要介護者の介護報酬が1割近くアップ。個別機能訓練加算がアップ。都市部の地域区分がアップ。要支援者の事業者評価加算が取り易くなる。一層、骨折予防・腰痛・腰痛予防などの運動疾患対策が重視される。民間のケアマネジャーの要支援者8人枠が撤廃される。要支援者、第二次予防対象者が急速に増える。
地域支援事業に関しては、柔整が参入しても将来はあり得ないと思っている。練馬区の介護保険協議会運営委員を2年以上務めているが、練馬区の場合、人口70万人、高齢者13万人で介護保険を受けている人が2万人。使われている費用は大体300億円で地域支援事業が法律の枠の中で使える事業費は決まっており介護予防事業は2%、任意事業を含めると3%以内、練馬区の場合は、2.5%で約10億円。その半分は地域包括支援センターの運営費に5億円。練馬区は支所と本所、合計25箇所の運営費に使われている。残りの5億円は、介護予防事業費である。二次予防対象者のことを特定高齢者と呼ぶが、特定高齢者把握事業費に4億2千万円、残りが実際に通所型介護予防事業や訪問型介護予防事業、4億2千万円の特定高齢者把握事業費の殆どはお医者さんにかかる費用で、特定高齢者として決定されるのはお医者さんの健診を受けないと出来ない。平成18年以降、厚生労働省が地域支援事業で、要介護者或いは要支援者になる前の恐れのある人たち(特定高齢者)は、全高齢者人口の5%というアウトカムを出したが蓋を開けてみると0.5%位しか事業に参加しなかった。それが特定高齢者施策の現状で、中でも運営委員会で問題にしたのは、特定高齢者把握事業に4億2千万円も使われており、練馬区では毎年通所型介護予防事業に参加する人は徐々に増えて23年度500人、参加される人たちのために5億円、区民の税金で賄っている。特定高齢者把握事業費は事業仕分けでもいろいろ言われて、国の方針でお医者さんの健診を受けなくてもよいとなり、4億2千万円が3千万円位に下がり、残りの3億円は任意事業の費用になった。
柔道整復師がこれから二次予防の事業を委託されても、その程度の枠しかない非常に小さな制度の仕組みであって、これから柔整師が5万人8万人になってくる時の支えるパイにはなりえない。特定高齢者施策は柔道整復師が追い求めるものではないと思っており、新しいビジネスモデルを柔整師が早急に作っていかなければならない。私は前からデイサービスの機能訓練特化型でいこうと提唱しているが、ネットワークが最も大事であり、社団の受け皿があり支援体制を構築してもらえれば、1000人・2000人の柔道整復師は介護予防型のデイサービスを作ることが可能で、運動器の向上と傷みの管理をやれば良い。この市場はこれからもっともっと増えてくる。介護予防型デイサービスをやれるようなシステムを作ってもらいたい〟と強く訴えた。
講演終了後に〝介護保険法は国家試験にも入っていない〟という意見に対し〝学校の中でもっと介護や福祉を勉強しなければダメ〟〝既に薬学部やPT・OTも毎年国家試験の中に介護の問題が出題されている〟等の意見が出された。
「医の倫理から生命倫理へ-医療従事者に必須な倫理観とは-」
医療が社会的認知を得て以来、医療と倫理は切り離せないものとなっている。当初は医師と患者を巡る関係を中心とし、その後、医学研究、医療技術等と医学・医療の進歩に合わせて大きく広がりを見せてきている。
【医の倫理】
「ヒポクラテスの誓い」にあるような医師に専門職として求められた徳や義務。
【医療倫理】
1.当初は医師と患者を巡る関係を中心とし、その後、医学研究、医療技術等と医学・医療の進歩に合わせて大きく広がりを見せてきている。〝この医療創世記からの医師と患者の関係を中心としたもの〟。2. 医師と患者の関係を中心としたものを「医療倫理」とし、そのあとの医学研究や医療技術の発展等を起因として学究的に多様な方法論を駆使しながら体系づけられる学問とその実践をさすのが「バイオエシックス(Bioethics)」であり、それを翻訳したのが「生命倫理」となる。
【医療倫理と生命倫理】
医療倫理と生命倫理との差異についても必ずしも明確になっていない部分があるなど、学問的にさらなる発展の途上にあるともいえる。
【医療従事者が認識すべき倫理観】
1. 医師を含む院内医療従事者の治療行為や柔道整復師・鍼灸師等の施術において、生命倫理の明確な定義付けの理解に固執する必要はない。2. 医師が専門職として自ら単独で持つべきとされた医の倫理から患者との関係や診療を通して専門職として取るべき医療倫理、さらにそれらを含めて医学研究や医療技術といった学問的体系づけを行っていった生命倫理への流れを通して、たえず患者との関係やそこで行われる診療や医療技術には専門的倫理観が必要されてきたことを理解できればよい。