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日本柔道整復接骨医学会社会医療分科会・日本社会医療学会東京部会合同研究会が開催!
2012年度第1回日本柔道整復接骨医学会社会医療分科会と日本社会医療学会東京部会の合同研究会が、2月5日(日)午後3時から、かどやホテル2階会議室にて開催され、この日の講演は、佐藤司氏(介護福祉士・介護支援専門員・北赤羽整骨院院長)による「介護保険改正と柔道整復師」と、前田和彦氏(九州保健福祉大学薬学部教授)による「医の倫理から生命倫理へ-医療従事者に必須な倫理観とは-」の2題が行われた。
「介護保険改正と柔道整復師」
2012年1月25日に第88回社会保障審議会介護給付費分科会が開かれ、平成24年度介護保険改正の介護報酬と加算について詳しくワムネットに掲載されています。介護保険制度は、平成12年に始まって以来3年に1度改正になっており、平成24年度は大きな改正、特に医療と介護の同時改正で注目されている。今まで介護報酬は財政が厳しいとして年々下がっていたが、今回の改正は、介護に限っていえば、若干1.2%介護報酬が上がった内容となっている。基本的視点として、①地域包括ケアシステムの基盤強化②医療と介護の役割分担・連携強化③認知症にふさわしいサービスの提供の3つをあげ、介護予防通所介護の報酬・基準見直しでは①生活機能の向上などにより利用者の自立を促すサービスを重点的かつ効率的に提供する観点からの見直し②複数のプログラムを組み合わせて実施した場合の評価や事業所評価加算の評価及び算定要件の見直し③利用者の生活機能の改善を目的として実施される日常生活上の支援についての評価となっている。
介護保険の現状
65歳以上人口は3000万人(4人に1人)、要介護認定者数500万人(6人に1人)、利用者数400万人(認定者の8割が利用する)、85歳以上220万人(半数以上が80歳以上)、介護保険費用は年間7兆8千億円、通所介護費用は年間1兆円以上、通所介護事業者数2万事業所以上であり、何が問題なのかというと社会保障の構造自体が高度経済成長期に作られたものであり、1960年代は胴上げ型であったが、今は騎馬戦型といって生産年齢2人で1人の高齢者を支える。2025年以降は肩車型で生産年齢1人で1人の高齢者を支える。こうなる前に社会保障制度は、崩壊してしまうため持続可能な社会保障、税と社会保障の一体改革をどうするかというのが現政権の大きな課題であるとしている。要介護認定者は約500万人おり、大体65歳以上高齢者の6人に1人は、介護の認定を受けている。80歳以上の方は大体6割の人が介護の認定を受けている。80歳を超えて1人暮らしで足腰弱く不自由な人は殆どが要支援1位になるのが今の介護保険制度で、今500万人だが、2025年位になると800万人、1000万人になってくるだろう。認定を受けていても、実際にサービスを利用している人たちは全体の8割で、また要介護認定を受けること自体に費用がかかる。介護保険に使われる費用は、2000年に大体2兆数千億円使われていたが10年経ったら倍以上になった。2025年になると大体19兆~24兆円まで介護保険の費用はかかるといわれており、団塊の世代の人たちが2025年以降になると75歳~80歳位になり其処から本格的な介護保険のシステムを作り上げなければ立ち行かないという大きな課題がある。介護保険の費用が20兆円を超えると当然医療費も莫大になり社会保障の費用をどう捻出するか。今のままでは難しいことは誰が見ても明らかである。私は、通所介護は柔道整復師には新しい社会保険事業になるとずっと言い続けており、現在通所だけで1兆円使われていて100万人以上の高齢者が通所介護に通っているのが現状である。この中であたらしい柔道整復師の事業モデルとしてどれだけ特色を出した経営ができるかが、柔道整復師がこれから生きていく選択肢の大きな1つであると思っている。
通所介護の報酬・基準見直し
サービス提供の時間区分及び評価の見直し。機能訓練の体制やサービスの提供方法に着目した評価。長時間のサービス提供に着目した評価。利用者の住居と同一建物に所在する事業所に対する評価の適正化。
通所介護(小規模型)3時間以上5時間未満の場合
要介護1は437単位/日→461単位/日(現行→改正後)、要介護2は504単位/日→529単位/日、要介護3は570単位/日→596単位/日、要介護4は636単位/日→663単位/日、要介護5は702単位/日→729単位/日。
通所介護の加算
個別機能訓練加算(Ⅰ)27単位→42単位、個別機能訓練加算(Ⅱ)42単位→50単位、口腔機能向上加算150単位、栄養改善加算150単位(月2回限り、3ヶ月間)入浴介助加算50単位(現行のまま)