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厚生労働省の追認をうけて思うこと

2010/12/01
現代の柔道整復師像

私の所属する(社)東京都柔道接骨師会世田谷支部では、世田谷区内を8ブロックに分け、PTAバレー(ママさんバレー)の救護活動を行っている。活動内容はテーピングによる予防や救急時の対応で、地域の方達には大変感謝されているが、まだ柔道整復師が何をしている職種なのか正しくは理解されていない。

各ブロックの担当校では、私達への感謝の意を込め、控え室を用意しているが、その8ブロック中の2ブロックでは、教室の前に「整体師さん控え室」と大きな張り紙がしてあった。その場で説明し理解して頂いたが、まだまだ柔道整復師を整体師と思っている方が多い。

私達会員の中から、担当責任者と会議を開き説明をしてはとの意見もあったが、私はそうは思わない。柔道整復師を整体師と思わせているのは私達の責任であり、いくら説明しても私達が変わらなくては、何もならない。多くの柔道整復師がそうだとは思わないが、障害や外傷の治療を捨ててしまっている者がいる。この実態が残念であり、変わって欲しいものである。

 

これからの柔道整復師像

本来、私達が行うべき本業である障害や外傷を捨ててしまっているのは、なぜだろうか。それは、身体の構造や動きを、客観性をもって理解することが出来ていないからではないだろうか。

確かに最も重要なことは、触診・視診・問診による判断であるが、それらを客観的に裏付ける手段があったらどうだろうか。

例えば筋肉はどの様に動くのか、そして損傷のある筋肉はどの様になってしまっているのか、骨折時に骨はどの位転位し、その周囲はどの様になってしまっているのか。それら身体の変化が超音波検査を通じて分かれば、おのずと興味が湧いてきて、決してそれらの治療を捨てることはないはずだと思うが、いかがだろう。

 

教育

近年、柔道整復師の中に障害や外傷に興味を持てない者が多くなってきている。そこには、学校教育の責任もあることが否定出来ないのではなかろうか。超音波検査機器は健常な身体構造を理解する上でも大変有用で、関節周囲の腱、靭帯、軟骨の状態と動き、或いは筋肉や腱の伸張性など、本だけでは分かりづらいことを、リアルタイムに理解することが出来る。そして身体の解剖イメージを生体上で理解するということは、四肢などの機能障害や外傷による身体各部の変化を理解できるということであり、その治療に意欲も湧くはずである。

そうすれば、柔道整復師という地域医療の一端を担う資格がありながら、その資格を利用して不正に医療保険を使う慰安行為ばかりに走る者はいなくなるのではないだろうか。

今後、柔道整復師が保存療法のスペシャリストとして、日本の医療になくてはならない存在になる為にも、学校の教育現場から、その卵である学生達に対して、超音波画像診断装置を使って身体の構造の素晴らしさや修復時の神秘性を教えて頂きたいと強く望む。