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大島九州男参議院議員に直撃インタビュー

2010/10/01

―公約の実現にむけて

我々が提言してきた「レントゲン問題」並びに「17条の問題」*等について、具体的に今後どうしていくのかというと、まず理想から言わせていただくと、保険者と柔整の先生達が、信頼関係をしっかり持っていただけるようになることが大事です。今、保険者の皆さんは柔道整復師業界の皆さんへの不信感がどう仕様もないほどに増大しています。唯一、社団の先生方とこれまでお付き合いがあった保険者の皆さんは別として、社団外の先生方については相当な不信感をもたれていると実際にお聞きしています。しかし、デタラメな事を行っている保険者も多く存在しています。日本柔道整復師協議会から調査の仕方等で厚生労働省を通じて注意されている保険者も多くいるようです。今後については、我々が仲介させて頂いて夫々の立場を理解し合えるような意見交換の場を持ちたいと考えています。結局、保険者との信頼関係が希薄であるから民間会社に委託して調査をかける訳です。それがまた、お互いの不信感に拍車をかけているといった状態で、溝を深めるばかりです。不信感を払拭し、お互いの信頼関係を回復するという、そのことが一番大きな課題でもあります。しかも、そういった不信感が解消されていくと、我々が提案をしていく上で、非常に理解してもらいやすくなると思っています。我々が公約に挙げている「レントゲン問題」については、当時自民党から相当文句を言われました。しかし、野党になった途端に業界別自民党のマニフェストに〝柔道整復師にレントゲンを撮らせる〟という公約が入りました。つまり「レントゲン問題」は、政治的な世界においては、クリアされる可能性が出てきたということです。

 

―大島議員の影響力が大きいと言えますね!

それは、どうか分かりません。しかし、そういうことをマニフェストに掲げたことは事実ですし、彼らが反対する理由はないのです。じゃあ具体的にどうするかと言えば、「レントゲン問題」に関していえば、我々は何も大掛かりなレントゲンを要望しているのではなく、四肢を撮れる簡易で、ポータブルなレントゲンに限っては許可しても良いのではないですかと。それも全ての柔整免許保持者に認めるのではなく、放射線技師の勉強をした方達が簡易なポータブルレントゲンを撮れる制度を新設しても良いのではないかとしているのです。当然、放射線技師法の改正を行う必要があるでしょうし、それに伴った試験も創設しなければなりません。
柔道整復師が今の業務をしっかり行っていくためには、業務上そういうことがどうしても必要であるという考えです。結局、今のまま右から左へ直ぐに移行、実現できるとは一つも言っておりません。その辺をご理解いただきたいです。
更に、医師の同意が必要な柔道整復師法の17条についてですが、この法律は今の時代や現場の臨床の実態と適合していないということです。つまり、昔の法律であり今の時代にそぐわない制度になっている訳で、現状にあった制度改正が必要でしょうということなんですね。骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷等、徒手整復で行える運動器の疾患に対して、やはり柔道整復師の先生たちの技術で行うことは、そもそも医療費の削減にもなりますので、財源が乏しい中で大変素晴らしいことですからね。
西洋医学で対処しなければならない重篤な骨の病気、関節の病気等、と単純な骨折等、徒手整復で行える疾患等をキッチリ分けることが重要で、ここは明確に区分する必要があるということです。

 

―「接骨医」構想について具体的に教えてください。

考え方としては骨や関節等の専門医です。どういうことかと言えば、明治18年、「入れ歯抜歯口中療接骨営業取締法」という内務省令がありましたように、現在の歯科医と柔道整復師は同じ身分にあったという歴史的事実があります。かたや歯科医になられています。柔道整復師もその原点に戻って「骨接ぎ」が元々は医者であったように「接骨医」という一つの専門医制度を構築するべきであるという考えです。オペをせずに徒手整復で骨・関節等の疾患について治す技術を持った専門医としてやっていけるよう、当然医師・歯科医師・薬剤師と同様に最低6年位しっかり勉強して頂くことが求められるでしょう。その勉強を積んだ人を「接骨医」という骨と関節の専門医として歯科医と同じような形で枠組みを作り、また新しい制度を作ることを目指したい。当然「接骨医」になれば、接骨医というのはお医者さんですからレントゲンも撮れますし、先程の17条の問題もクリアできることになります。しかしながら現状を見たときに、ほとんどの若い人たちは骨折・脱臼等を扱ってない訳ですから、そこをもう一回整理した時に区別ができていくのです。これまでそういった議論をしてこなかった為に、制度を変えられなかったのです。柔道整復師国家資格は一緒ですが、新たなグレードを創設し、試験を通って新制度の保険医になるという構想です。