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柔道整復師小委員会が全国柔整鍼灸協同組合をヒアリング

2012/09/16

9、療養費を取り扱う柔道整復師を米国のように〝保険取扱資格の更新制〟に移行すること並びに臨床実習の強化のための学校就業年限を5年以上に引き上げる必要性

療養費の不正請求発覚により保険取扱の中止処分を受ける柔道整復師が続出していることは事実であり誠に遺憾なことです。従来から柔道整復師の業界団体としては、既に「財団法人柔道整復研修試験財団」において柔道整復師の卒後臨床研修を実施しているところではありますが、受講があくまで任意であることから、全体の1割程度の受講実績に止まっている現況にあります。

そこで、柔道整復師の施術技能や学術研究のみならず、〝倫理観〟をも含めた資質向上に資するため、併せて、保険を取り扱うことができる〝保険柔道整復師〟の資格を制度化した上で、アメリカで既に実施されている保険取扱い医師のように、保険取扱い資格に〝更新制〟を導入した強制力を有する〝国が行う2年以上の卒後研修(インターン)制度〟を創設することが求められています。

具体例としては、たとえば養成学校での3年の履修において国家資格受験を認めた後、更なる臨床実習を2年以上義務付け、計5年以上をもって養成学校を卒業させるという履修変更が考えられます。

これらは、「柔道整復師養成施設指導要領について(平成12年3月31日付健政発第413号 厚生省健康政策局長通知)」等の運用により対応できるものと考えます。

 

10、柔道整復施術療養費に係る審査・支払機関の創設について

現在は都道府県ごとに柔道整復療養費審査委員会が設置され療養費支給申請書の審査にあたっています。審査終了後各保険者において支給決定され個別に支給事務が行われているのです。審査業務と支払事務を同一機関で実施することによる療養費支給事務の効率化及び迅速化を図ることは、療養費の適正化に資することが明らかです。

将来的には医科と同様に申請書の電子媒体による事務体制を目指すことも可能となります。

 

更に、改定予定案の構成を提示し、

①3部位目は○○%に逓減強化
②○ケ月目から10日以上施術は逓減を設ける
③○ケ月目から長期逓減を実施(現在は6ケ月目)

この改正予定案では、

施術所の経営上総額の一律圧縮となり、逆進性の強い改正予定案では保険総請求額が50万円程度で細々と経営している整骨院を直撃、中小零細規模の整骨院を主体に〝廃業〟に追い込まれることが必至。
これでは柔道整復師一人で1日に100人以上施術して療養費を支給申請しているような施術形態に対し抑制がかからない。


一方、全国柔整鍼灸協同組合の提案として、
1部位に最低でも5分間以上の手技施術時間を要することを条件とした上で、

 ・日ごとに15人までは施術費用の100%支給で逓減なし
  (この場合の施術時間は一人につき45分以上を義務づけ)
・ 日ごとに16人以上40人までは施術費用の10%を逓減
・ 日ごとに41人以上は施術費用の30%逓減

この提案では、

逓減率の導入は患者全員を対象として適用するのではなく、新たに施術者に着目して柔道整復師ごとに患者への施術時間と施術人数により料金を設定することとしてはどうか。
施術が複雑かつ困難な事例を施術者に判断・選択させ、この場合には逓減しない。しかし、施術時間を最低45分以上義務付けてはどうか。

 

等、建設的な提言を行った。

 

この日、小委員会に初めて参加した民主党衆議院議員憲法調査会会長・中野寛成氏から〝30年のお付き合いになります。その間いろんなご苦労もありましたが、人間の持つ本来の治癒力を取り戻すという東洋医学の象徴的な存在として柔道整復師をはじめとする鍼灸などの東洋医学があると思います。効能を如何に正しく発揮するかということは大事な問題で、医療体系の中に、如何に取り込んでいくか、皆さんと一緒に研究をして意味のあるものにしていきたいと思います〟と本会議に入る前に挨拶で述べられたように、今回の10項目の提案を受けて、中野氏をはじめとする民主党各議員から〝これを機会に今まで解決をはかれて来なかった問題並びに要望等に答えを出してあげるようにという強い意見が出され、これを受けて厚生労働省・保険局医療課保険医療企画調査室長・屋敷次郎氏は真摯に受け止め、進めていく意向を示した。

(文責・編集部)

 

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