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柔道整復師小委員会が全国柔整鍼灸協同組合をヒアリング

2012/09/16

去る平成24年8月22日(水)、16:00~17:00まで、参議院議員会館B103会議室において『統合医療を普及・促進する議員連盟・第18回柔道整復師小委員会』が開催され、全国柔整鍼灸協同組合のヒアリングが行われた。

全国柔整鍼灸協同組合から理事長・岸野雅方氏、専務理事・上田孝之氏、理事・事務局長・土江直一氏、理事兼横浜医療専門学校専務・吉田洪洗氏の4名が出席、厚生労働省からは保険局医療課保険医療企画調査室長・屋敷次郎氏、保険局医療課療養指導専門官・西窪学氏、保険局保険課健康保険組合指導調整官・勝見光夫氏、保険局保国民健康険課保健事業推進専門官・光行栄子氏、保険局高齢者医療課高齢者医療指導調整官・佐野勉氏、医政局医事課医事専門官・小川博昭氏、医政局総務課主査・井上大輔氏、医政局総務課主査・永田翔氏ら8名が出席した。

大島九州男議員は決算委員会出席のため挨拶を述べて退席、民主党衆議院議員・初鹿明博氏が司会進行役を務めた。

はじめに岸野理事長が不正を業界側みずから追放するよう取組を開始し、現在会員2372名が保険講習会を受講。全会員の受講を目指す等、簡潔に挨拶した後、それを引き継ぐ形で、上田孝之氏が前もって提出していた下記10項目の提案内容について説明を行なった。

 

1、療養費の料金改定の速やかな実施と患者保護に立脚した運用体制の確立

社会保障審議会医療保険部会の議論等により、本来であれば本年6月に実施されるべき療養費の料金改定が延期されたところです。このことは私たち施術者にとりましてまことに大きな不安要素です。柔整療養費の取扱いは、このままでは「給付の適正化」の名のもとに、これを大義名分として療養費の大幅な圧縮を目論み、柔道整復師とその施術を受ける患者が不当に抑圧・抑制される世論形成が構築されつつあります。

しかし、柔道整復施術は単に患者から信頼される施術であるばかりでなく、低コストによる医療費の節約に繋がる利点があるのです。柔道整復師の患者が外科・整形外科に移行した場合の医療費は激増することが容易に想定されるところです。

このことから、柔道整復師の特性を生かした料金改定を速やかに実施するとともに、患者が保険で柔道整復師の施術を安心して受けられるよう運用体制を確立することが急務であります。

 

2、療養費支給申請書への患者自筆の署名を求めることについて

月の最後の施術日に、作成された療養費支給申請書を見て、その内容をよく確認してから署名することなど物理的にできません。申請書を月末の最終施術日に作成して患者がその申請書面に書かれている内容を確認した上で署名をするということにするのであれば、現行の月末締めで翌月5日までに提出という運用は不可能です。

月途中で治癒した場合や月途中においてその後来院してこない患者に対する対応はどうすれば良いのかを明示していただけないと、単に「努力せよ!」といわれてもわかりません。後日、別途署名のために患者宅へ赴くとか、また郵送にて対応しろということであれば、その交通費や郵便料金は誰が負担するのかが不明です。受領委任払いでは、その事務手続き上、初診時や月初めにサインさせるしかないと考えます。

実際に太陽生命健康保険組合など保険者によっては提出済みの療養費支給申請書全件を不備返戻とし支給決定を拒んでいます。

これは受領委任の取扱い上の根幹を揺るがす大問題です。医科の保険証の取扱いでも初診時や月初めに保険証の提示を求めていることからも、このタイミングで署名させるしかありません。

具体的には厚生労働省保険局4課長連名通知の3.保険適用外の施術についての被保険者等への周知徹底の事項において、周知の具体的記載事項の活用としてのパンフレット、「医療費の適正化のために」の項目には、施術者としては当該記載内容の運用上、対応が不可であると言わざるを得ません。

療養費支給申請書の内容(負傷原因、負傷名、日数、金額)をよく確認して、署名または捺印をしてください。
受取代理人の欄への署名は、傷病名・日数・金額をよく確認し、原則患者本人が署名することになっています。よく確認をせず、受取代理人の欄に署名することは、間違いにつながるおそれがありますので、注意してください。

この記載内容によれば、あくまで初回に署名することは否定されてはいません。しかし、傷病名・日数・金額をよく確認した上で署名することとなっているため、署名は「治療の最終日、若しくは月末にしなければいけない」とも読み取れる表現です。このような表現のパンフレットで周知徹底されると、従来どおりの署名の仕方では、患者との間に無用なトラブルが生じる可能性が大きいと考えます。

 

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