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「柔道整復の歴史的背景からみる傷病名(負傷名)見直しの
必要性」(下)

2011/12/16

答弁第13号
内閣衆質162第13号
平成17年2月10日               内閣総理大臣 小泉純一郎
衆議院議長 河野洋平 殿

衆議院議員内山晃君提出 柔道整復師の業務に関わる健康保険請求の取扱いに関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。

衆議院議員内山晃君提出 柔道整復師の業務に関わる健康保険請求の取扱いに関する質問に対する答弁書

1.について
柔道整復師は、柔道整復師法(昭和45年法律第19号)の規定に基づき柔道整復を業とする者であるが、その業務範囲については、昭和45年の柔道整復師法に係る提案理由説明において、「その施術の対象も専ら骨折、脱臼の非観血的徒手整復を含めた打撲、捻挫など新鮮なる負傷に限られている」とされていることを踏まえ、一般的に、骨折、脱臼、打撲、捻挫及び挫傷(以下「骨折等」という。)の施術と解しており、ご指摘の腱鞘炎等の施術がその業務範囲に含まれるか否かについては、慎重に判断すべきものであると考えている
また、健康保険法(大正11年法律第70号)第87条第1項等に基づく療養費又は医療費(以下単に「療養費」という。)の支給は、療養費の支給を受ける者の疾病又は負傷に即して行われるべきものであり、ご指摘の「療養費請求の段階で「捻挫」にふり替えさせている」という事実はない

2.について
医師法(昭和23年法律第201号)は医師でない者が医業をなすことを禁止しているが、ここにいう「医業」とは、医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある「医行為」を反復継続する意思をもって行うことであると解しており、医師が「医行為」として患者を診察、診断及び治療することを「診療」と呼んでいる。一方、柔道整復師法等は「医行為」ではないが、一定の資格を有する者が行わなければ人体に危害を及ぼすおそれのある「医業類似行為」について、当該資格を有しない者が業として行うことを禁止しており、このうち柔道整復師が業として行う柔道整復を医師が行う「診療」とは区別して「施術」と呼んでいる。
医療保険制度における柔道整復師の施術の取扱いについては、このような考えの下で、「柔道整復師の施術に係る療養費の算定基準」(昭和60年5月20日付け保発第56号厚生省保険局長通知)において、医師の行う診療についての「初診料・再診料」と区別し、「初検料・再検料」を算定することとしているところであり、これを変更する考えはない

3.について
お尋ねの「判断書」とは、柔道整復師が患者に危害を及ぼすおそれのない範囲で疾病又は負傷の状態を把握し、自らが施術できる疾病又は負傷であるか否か等を判断した結果を記載する書面を指すものと考えるが、その書面と医師が患者を診察し疾病又は負傷の状態を診断した結果を記載する診断書とは異なるものであるため、同一の用語を用いることは適当ではないと考えている

4.について
ご指摘の「レントゲン撮影」については、エックス線を含む放射線が人体に危害を及ぼす性質を有することから、これを人体に照射する行為は「医行為」である。このため、当該行為については医師、歯科医師又はこれらの者の具体的な指示を受けた診療放射線技師が行うべきものであり、柔道整復師に「レントゲン撮影」を認めることは適当ではないと考えている

5.6.(省略)

7.について
ご指摘の「協定」は受領委任払い(保険者と柔道整復師により構成される団体又は柔道整復師との間で契約を締結するとともに、被保険者が療養費の受領を当該契約に係る柔道整復師に委任することにより、保険者が療養費を被保険者ではなく柔道整復師に支払うことをいう。)の契約を指すと考えられるが1、についてで述べたとおり、柔道整復師の業務範囲については、一般的に骨折等と解しており、腱鞘炎等がその業務範囲に含まれるか否かについては、慎重に判断すべきものであり、当該「協定」を含め、療養費の支給対象となる柔道整復師の施術を、骨折等の施術に限っていることは適当なことであると考えている。

8.9.(省略)