柔整ホットニュース
特集
「患者と柔整師の会」主催、第7回保険者会議開催!
去る10月13日(木)、「患者と柔整師の会」主催の第7回保険者会議が、柔道整復師・保険者ら約30名が参加する中、開催された。
はじめに「患者と柔整師の会」患者代表の今城康夫氏が挨拶で、これまでの活動の経緯と〝私たち患者にとっては、現在の柔整診療制度は生活に欠かせない医療制度である〟ことを真摯に訴えた。 今回主催者は認定・登録柔道整復師制度と支払機構審査委員会の2つの構想図を参加者に示し、その構想案の解説を行った。
司会進行役の本多氏より、この一連の会議(患者会議・柔整会議・保険者会議)をスタートした当初は柔整の不正対策が主たる目的であったが、議論を続ける中で、「療養費受領委任払いを使うことにより、保険者側がどのような事務負担と他の負担を受けているのだろうか?」、「それを改善することによって療養費受領委任払いの合理的な運用が出来るのではないだろうか?」、ひいては、「不正・不当請求を抑えることになるのではないか」として、保険者に軸足を置き、問題の解決をはかることにしたと明言した。 認定登録柔道整復師制度試案では、研修を受け、試験をパスした柔整師だけが受領委任制度を取り扱うことが可能であり、5年間の更新制度も設ける。請求事務と支払事務を一括で行う支払機構及び審査を行う療養費審査委員会については第三者機構(保険者の代表・柔整師の代表・その他一般の学識経験者)が管理・運営をして審査の客観性を担保する方法をとりたいと述べ、本論に入った。
認定登録柔整師制度試案について、保険者からは▽個人がそんなに大勢いるのは知らなかった。北海道の場合、北海道柔整師会と北海道医師会が大変仲がよく、常日頃お付き合い頂いている。不正等の話題はない。私どもは国保なので、国保連合会に審査は全部任せており、審査委員も当組合から整形外科の先生を審査に出している。こういう制度があれば間違いがなくなり、認定ということで認めていただければ分かりやすい▽今、新規の開業をされる方がどんどん増えているのは知っている。正しい請求の仕方を知らないまま、悪意はないが、間違った請求の仕方で行われていても、素人なので内容が分からないまま多々支払われている。キチンとした認定・登録の方法、そのような体制が整っていると有難い▽①構想図では団体が主導権をとるとなっているが、団体が纏まれるのか、どうやってそれを持っていくのか②組織的担保としての5億円はわかるが、全体の構造を運営していくための継続的な財務関係の担保はどうなっているのか③従来の国家資格を持つ者とどういうプロセスで繋げるのか、行政とのリンクをどう考えているのか、構想の補足をお聞きしたい▽いろいろ患者さんに照会するが形式検査しか出来ないため、患者さんに照会してみて初めて実態がわかる。やはり保険者が声を上げていかないと。認定が二重になる話は、医者も登録保険医にならないと健康保険を扱えない。健康保険法の第87条に『被保険者が保険医療機関等以外の病院、診療所、薬局その他の者から診療、薬剤の支給若しくは手当を受けた場合において、保険者がやむを得ないものと認めるときは、療養の給付等に代えて、療養費を支給することができる。』となっている。我々がやむを得ないと認められないのであれば支払ってはいけない▽構想図1で業界団体というのは基本的には規模が大きく母体がしっかりしているところが認定をするだろうと考えるが、100時間以上の集合研修は1つの考え方なのか?業界団体個々の様々な状況に応じて、統一がなくなるのではないか。業界団体同士の意思の統一はどのように考えているのか?▽若い時に交通事故で頸椎捻挫で整形外科に通院、お年寄りが多く丸一日がかりで待たされ治療も進まないという経験をして自分自身柔整の世話になり、柔整の存在自体が非常に有意義なものだと感じている。どちらかというと健保にいながら応援する側に回りたいということで今日初めて出席した。今、柔整の支払関係を外に出さず自分たちで行っているが、特例退職者(60歳~75歳)を抱え、全体の割合からすると非常に多い。保険者が3000名、被扶養者を入れて6000名ちょっとだが、月に300件位を全部自分たちでチェックしている。しかしもう限界で外に出してやらざるを得ない状況。どの健保も一緒だが、企業が経営している関係で人数も減り、業務が厳しく結局外に出さざるを得ない。こういう支払い、認定等をきちんとしてくれれば事務的負担が解消されるので進めて頂きたい。整形外科は全部認められるが柔整は基準が厳しいため、枠にはめたものでレセプト請求するしかないという不条理が出てきている。その辺をもう少し煮詰めて、実態に合ったレセプトを推進することが重要になってくるのではないか。今のレセプトでは、本当にそうなのかと疑いたくなる。実際には整形より柔整の方が治療をしっかりやってくれると充分解っているが今のレセプトの在り方では保険者として応援するのが難しい▽これが実現に向けて一歩でも前進し我々保険者同士のネットワークが組めれば素晴らしいことではないか、等の意見と感想が出された。