柔整ホットニュース

特集

この人に聞く!【前橋東洋医学専門学校校長・北澤正人氏】

2011/09/16

これまで柔整ホットニュースでは、柔道整復大学で活躍されている教育者にテーマを設け、リレー式でご執筆いただいてきた。しかし、近年の柔整教育は4年制大学と3年制専門学校の2極化が進展していることから、大学と専門学校の差別化が加速すると思われる。そこで柔整ホットニュースでは、〝柔整教育の根幹はなんぞや〟という大きな問いかけをテーマに専門学校の教育者、大学の教育者両者に提言いただくことにした。今回は、前橋東洋医学専門学校校長の北澤正人氏に、自校の教育方針を中心にご提言いただいた。

「専門学校においての柔道整復師『ほねつぎ』教育について」
前橋東洋医学専門学校 校長 北澤 正人

前回の「この人に聞く!」コーナーまで継続していた柔整大学教員からリレー方式にて私が指名された。なぜなのだろう?と問いかけてみた。過去の先生方の内容に対して柔整ホットニュース会員の大多数が専門学校卒会員の為なのか少しピンとこない部分があるのかもしれません。何れにしても柔整大学・柔整専門学校、この二極化の状態で数の変化はあると思いますが、今後推移していくことは予想されることなのです。

まず、私が専門学校校長就任以来心がけて教育していることは我々柔道整復師の先達に向けて尊敬と敬意を心の底から想って日常の勉学に励み、常に患者さん目線を持つような有資格者(ほねつぎ)を育てることを念頭においています。その為には研究機関を持つ大学教育とは一線を隔した柔道整復師養成校教育を目指そうとしています。
何処に違いがあるのか?それは第1に「倫理観」と第2に「伝統柔整術の継承」、第3として「少人数制の教育」です。しかし、養成校ですから国家試験合格に関しては充分な状態の教育が必要です。それによって資格の取得は『通過点』と捉えていただきたいのです。

 

「倫理観」について

私が校長として挙行した初めての入学式から継続して本年の入学式においてもお話している事があります。それは「柔道整復師倫理綱領」です。日本柔道整復師会によって昭和62年6月14日制定されたものです。

柔道整復師の職務に誇りと責任をもち、仁慈の心を以て人類への奉仕に生涯を貫く。
日本古来の柔道精神を涵養し、国民の規範となるべく人格の陶冶に努める。
相互に尊敬と協力に努め、分をわきまえ法を守り、業務を遂行する。
学問を尊重し技術の向上に努めると共に、患者様に対して常に真摯な態度と誠意を以て接する。
業務上知りえた秘密を厳守すると共に、人種、信条、性別、社会的地位などにかかわらず患者様の回復に全力を尽くす。

以上の5項目が今後の柔道整復師養成に最も必要な教育すべき事項だと考えます。
本校の専任教員や助手の先生方には常日頃から学生たちに声かけをするようにしています。

 

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