柔整ホットニュース

特集

日本超音波骨軟組織学会 第25回東日本支部学術集会開催!

2011/05/02
「スポーツ障害におけるエコーの有用性」と題しシンポジウム

基調講演を行った福島一雅氏に加え、昨秋の学術集会・基調講演で注目を集めた奥野祐次氏(ETクリニカ血管内治療部)、佐藤和伸氏(佐藤代田整骨院)、坂本哲也氏(接骨・鍼灸こうふく)、小林久文氏(医療法人アレックス)ら5名のパネリストによるパネルディスカッションが行われ〝エコーによる「引き出しテスト」と「内反ストレステスト」で、どの程度の動揺で手術の適用になるのか〟〝足首の靭帯損傷の時に関節の不安定が一番問題になってくると思うが、この辺は特殊なので、何かアドバイスがあれば〟〝距骨と脛骨の動き、全然関係ないところを見て判断しているが、こういった検査もありでしょうか。やはり靭帯は靭帯をみるべきなのか〟等の質問に対し〝動的なストレスのエコーをみるというのは全く私も同感である。エコーで距離や健側と患側の差でみてもらうと一番良いのではないか。手術適用に関しては、私も医者になった20年前くらいは一生懸命靭帯を縫ったり、再検したりしていたが、その頃の患者さん達の5年、10年の長期成績が数年前に出て、保存療法と手術療法で長期成績に差がないということ。現在は全例手術をしていた先生でも一例も行っていないと話していたので、積極的に保存療法にチャレンジしていっていいのではないか。私も10年以上足関節の靭帯手術はよほど緊急で困っている方以外は行いません〟〝初回の初期固定が一番大切で、初めての捻挫でくるのであれば多少腫れは少なくてもギブス等による固定をしっかりして、ストレスがかからない、反対側にちょっとストレスをかけてあげるくらい、靭帯が短縮するような位置で固定をしてあげるのが一番であると思います〟〝エコーというのは画像診断ではなく、状態を見る生理学的な検査なので、今回示されたように状態を見ている、靭帯を観察する必要はないと個人的には考える〟〝やはり、数を見るしかないと思います。私自身も正直な話ATFLがやっと見れるかなという感じでCFLに関しては非常に難しい。後、靭帯の太さとか本当にその人が初回の受傷なのか、正確な状態でしっかり判断できるところが見れれば、そこから靭帯があるというのは言えるが、見えないから靭帯がないということは間違えている事があり、注意が必要〟等、活発な意見交換が行われた。また、カラードップラーを用いて観察した症例で〝患側と健側で明確に差が出たものもあれば、患側も健側も変わらないものもあった。いくつかの疑問点を含めて皆さんとディスカッションし、ドクターたちのご意見も頂きたい〟として、スノーボード中に転倒して負傷した打撲の症例等3症例を提示し、有意義な意見がやり取りされ、終了した。

引き続き、13:10から西野 満夫氏によるランチョンセミナー『超音波画像データ取扱講義』、教育セミナーでは、入門編「上肢(健常例)」講師:柳田雅彦(茨城県)、初級編「下肢」講師:新井達也(埼玉県)が行われ、学会理事・諮問委員(国士舘大学教授)の竹市勝氏が閉会の辞を述べた。

今学会は、150名の会場に200名以上の参加者が結集し、大盛況裡に幕をおろした。

 

前のページ 次のページ