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ある健保組合事務長に直撃インタビュー!

2011/04/01

―柔整と保険者は決して対立する関係ではないように思います。また対立から何も生まれないとも言いますし、保険者さんは国民・被保険者を代弁する側なのではありませんか?

医者と健保というのも、ある意味では対立関係にあります。確かに、保険者は被保険者の代弁者でもありますが、毎月何年間も通っているとか、本人も家族も通っているというケースが実際のところ結構多いのです。柔整マッサージは保険が利くということで行っている人は、ある意味恩恵を蒙っている訳です。知らない人は自分で全額お金を支払って、マッサージに行っている人もいらっしゃる訳で、そういう不公平感もあります。聞いた話ですが、被保険者側は〝気持ちがいいから行く〟と。一方、治療院側は〝安くしています。今月キャンペーンをやっているから5百円で何回も来てもいいよ〟と言っていますが、結果としては、健保にどんどん請求をする訳です。本人は負担が少ないから毎日でも行くんですね。

 

―貴健保組合さんでは、患者照会を行っているのでしょうか?

去年の10月から、被保険者さんに指導を始めました。又、当健保組合でもGという民間会社に6年前位から業務委託をしています。業務委託する上での一番のメリットは振込手数料が安くなることです。一軒につき315円、420円かかるところを、いろいろな健保の分を支払先一本に纏めて振り込むので、一軒の振込料金が30円・40円になるのです。Gさんに委託する健保組合が物凄く増えています。一時より倍くらいになっているようです。

 

―業務委託をする上で、契約内容は夫々異なると聞いていますが、貴健保組合さんでは、どのような内容を委託されているのでしょうか?

当健保組合では、全ての業務を委託しています。パンチからデータ化、そして患者照会までしてもらっております。しかしながら、レセプトを見ていると〝こんなんで何でいくの?〟という事例がいっぱいあるので、最近当健保組合でも患者照会を始めました。〝貴方は何時と何時に行っているんですか?〟や〝10ヶ月ぐらい通院して、支払うお金は○○です、間違いはないですか?〟といった様な照会を行っております。勿論、変なことは書けません。その他には、柔整にかかってはいけない疾病について書かれているチラシを同封して送っています。Gさんと同じようなことは、とても出来ませんし、同じことをやると、被保険者の方々から〝同じことをなん度聞くの?〟と嫌がられます。つまり、問合せではなく、長い目でみて、〝こうなんですよ〟ということを啓蒙していくスタイルです。他の健保組合さんがどこまで細かくやっておられるのかがよく分かりませんが、一応当健保組合でもGさんが「患者照会を行っています」と言っておられますし、それでもやはりまだ気になる人がいらっしゃるので、当健保組合でも独自に去年の秋から始めたということなんです。効果については、今の段階では、出ておりませんが、これから徐々に出てくると思っています。先ほどの厚労省の予算編成通知に文言が入ったことに関してですが、厚労省がそう言っても、直ぐにやらなかったり、様子を見ながらとかいう所は結構多いと思います。以前から〝減額しなさい〟と言っていますが、実際に行っていない所もあります。法律ではありませんので、監査があった時には〝何でやっていないんですか?〟と、聞かれるかもしれませんが〝それについては、こういう理由があってやっておりません〟という健保組合もあるかもしれません。しかし、実際のところは、やらなければいけないということなんでしょうね。保険者機能を推進する会の柔整部会には入っておりませんが、勉強会がたまたまあったので、何度か出席して、やはりやらなければいけないということで、やり始めました。当健保組合での柔整療養費の金額というのは、全体の医療費が約30数億円の中の2千万円強くらいで、薬代は5億円位ですし、それに比較するとあまり大した金額ではないようにも思っております。もっともっと違うところで節約したほうが良いのかもしれませんし、効果がありそうな部分については少しずつでも取り組んでいくことが出来ればいいのかなと思っています。