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ある健保組合事務長に直撃インタビュー!

2011/04/01

―貴健保組合の規模や考え等についてお聞かせください。

当健康保険組合は、昭和27年に設立されました。勇退後も引き続き現役世代と同じ保険制度に加入できる、特例退職被保険者制度(特定健保)も運営しております。被保険者は合わせて1万1千人です。健保組合にもいろいろな考え方がありますので、私のように柔道整復の分野にまったく精通していない事務長がこのようなインタビューにお答えするのは非常におこがましいのですが、ご指名いただきましたので感じているまま、聞きかじりしたことについてお答えいたします。もし、間違い等がありましたら関係者の方々にはご容赦をいただきたいと思います。

 

―厚生労働省の来年度の予算編成通知に、保険給付の適正化対策の一環として「医療費通知や負傷部位や原因の調査などにより、柔道整復療養費の給付適正化に取り組むこと」という趣旨の文言が加わったと聞いておりますが、それについてはどのように?

厚労省の予算編成通知にそういう文言が入ったことで、やはり照会を行う健保さんが増えるとは思います。柔整も鍼灸と同じように全部償還払いにしたらいいんですよ。元々が脱臼や骨折した時の柔整施術であって、そもそも按摩マッサージまがいのようなことをする職種ではないのです。そんなにしょっちゅう骨折してばかりいる訳ではありませんから、償還払いにしたほうがいいのかなぁと思います。不正も勿論ですが、接骨院には脱臼等の急性外傷以外は行けない筈のものなのに、肩こりなどで通っている人が圧倒的に多く、本来の目的が違うだろうということです。保険を使わずに自分でお金を出していけば、いいんです。私自身もたまにマッサージに行くと全額自分で支払います。同じように肩こり等で接骨院にかかりたい人は自費でかかれば良いと思っています。田舎のほうでは、骨折や脱臼の患者さんが多いのかもしれませんが、それにしても2年も3年も通うことは無いはずなんですが、月に20日位通っている人が沢山居りまして信じられないようなことも実に多い。更に被扶養者の人で、サッカーや野球をやっている子どもが、スポーツマッサージみたいな感覚で通っている。先生や監督が行けと言うみたいです。試合前になると特に頻度が増えるんですね。それは、やはりおかしいのではないかということです。

 

―確かに今の取り決めでは、外傷以外はダメとなっていますが、治療効果がハッキリあるものについては、逆に医療費を安く出来るのではないですか?

慢性の腰痛症にしても頚椎症にしても治せるのであれば、良いとは思います。ただし、そこまで認めてしまうと益々保険請求が増えていくように思います。本当に治療効果があるのか?どうなんでしょうか。運動療法については良いと思います。整形外科では例えば椎間板ヘルニアであっても、〝もう年ですから治りません〟などと言って、治してくれないようです。〝とりあえずこの薬を出しておきますから、飲んでみて又ダメだったら、違う薬を出します〟という感じではあります。かといって、柔整に行ったからよくなるという保証はないでしょうし、やはり治せる人と治せない人がいっしょくたになっているような気がします。みんなが同じレベルではないということも問題です。

 

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