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特集

◇柔道整復の危機と説明責任
『柔道整復が危機なのではなく、自らを説明できないことが危機』

2011/03/01
「医療保険制度の変化」

小泉改革以来、日本の社会では、保険に対して国庫負担が減り、その分保険料や窓口負担が増えています。保険に入らない人も増えています。国民皆保険制度が崩れだし、保険証のみでは窓口負担が大変となって、アメリカの医療保険が入り込み、そうした民間の医療保険に入っていないと実際に病気になった時に良い医療が受けられない。どんどんと格差医療へと進んでいるようにもみえます。
各組合健保などの保険者についても、医療費の増大によって様々な取り組みを見せて、アメリカ的な「マネージドケア」というか、患者さんが受ける医療に関して今までは「フリーアクセス」つまり患者さんが医療機関を自由に選び、担当する医師や柔道整復師が医療の内容を患者さんと共に決めていたということから、保険者が医療の内容を制限する、そんな時代になっていくのかのように見えます。
しかし、それにはいくつかの問題があります。実は日本では国民が保険者を選べないのです。だから基本的には厚生労働省が内容を統一して行なうしかないのですが、しかし各保険者が一定の権限をもって柔道整復に対して明確にすることを要求してくることは、今後更に進むことになるのかもしれません。

 

「柔道整復師は公の場で説明責任をはたさなければならない」

前述しましたように私たちは、柔道整復という専門職です。その専門である柔道整復の臨床に関する内容や医学的な説明を、患者さんはもちろんのこと、政府や厚生労働省、保険者に対してもしなければならない、そして同意を承けなければならない時代となっています。
そうした説明が、柔道整復は不十分なのではないのでしょうか。保険者に対して説明する場合でも当然患者さんは大事です、守秘義務は守らなければなりません。患者さんの利益が何にも増して第一です。そして、その中で公の場で柔道整復の業務を分かり易く説明し納得していただくということが必要だと感じます。しかし実は、その説明ができていない。そのために保険者サイドに納得していただいていない。同意をしていただけないと感じます。
柔道整復師の「腕」というか技術、治す能力がダメだと言うのではなく、皆さん日々の治療に関しては熱心に勉強していますから、腕はよいのですが、説明が出来ない。
「治すのは理屈じゃない!」そうです。そうかもしれませんが、今、危機なのは、理屈なんです。やはり分かり易く説明をして同意を得なければ通らない。通りにくい時代なんです。
ですから柔道整復の内容について、公の場で説明できるようにしておくことが、その努力が今、必要だと思うのです。