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特集

日本超音波骨軟組織学会(JSBM)のこれまでの活動を振り返る
~ 発足の経緯と目的 ~

2010/12/01

日本超音波骨軟組織学会(JSBM)は、その会則に次のような目的と事業を掲げています。

 

一、
スポーツ医科学、柔道整復学、整形外科学等の諸科学分野に携わる会員の、超音波診断装置を用いた臨床技術の研究、開発。
二、
上記の臨床技術の進歩に寄与するための、運動器領域における骨・軟部組織を対象にした、超音波画像の研究と診察法の開発。
三、
上記1、2の研究と確立に寄与するための、超音波音響工学と組織学を用いた、超音波診断装置と関連システムの応用と改良に関する研究開発。
四、
上記1、2、3の学術研究集会、講演会、セミナー等の開催。
五、
上記1、2、3の研究の奨励および研究業績の表彰。
六、
会誌、研究報告、資料、図書などの編集と発行。
七、
上記1、2、3に関する国内外の関連学術団体および学会等との交流と研究協力。
八、
前各号に附帯する一切の事業。

 

お読みいただければ分かるように、活動目的を決して柔道整復師のためだけと狭めることなく、広く整形外科分野、教育分野、研究開発分野などにも、ご理解をいただける方、ご教授いただける方、一緒に研究活動や開催に協力をいただける方を求めて門戸を開けています。

前身とも言うべき日本運動器系超音波研究会と同様に、本学会の名称にも柔整という表現を入れなかったのは、院内での骨折の有無の判断や四肢の外傷治療の判断材料のみに留まらず、スポーツ現場での故障への迅速な対応、運動器疾患の早期発見・早期治療に役立つ可能域の測定検査など、資格や身分にとらわれず、運動器の治療と研究に携わる人々の輪によって、超音波診断装置の運動器への活用をひたすら追究しようという歴代の代表理事の熱い思いによるものです。

 

このように可能な限り、柔道整復師の立場のみに偏らないように努力してきた日本超音波骨軟組織学会(JSBM)ですが、役員一同は心から接骨院・整骨院における超音波診断装置の利用の定着と普及、そして世間での認知を望んでおりましたので、平成15年9月9日の厚労省医政局医事課長名による岐阜県健康局長宛の回答「施術所における柔道整復師による超音波画像診断装置の使用について」の文書に、喜んだことは言うまでもありません。

それまでの過去10年余り、接骨院・整骨院における超音波診断装置の使用を不法として、保健所が撤去命令を出す事例は毎年後を絶ちませんでした。これには日本超音波骨軟組織学会(JSBM)事務局だけではとても対応し切れず、学会の設立に支援をいただき、賛助会員としても継続的に支えていただいていた株式会社エス・エス・ビーに相談し、その顧問弁護士の先生のご活躍もあって、超音波診断や検査と言わず、超音波観察と呼ぶことに甘んじたりもしながら、何とか会員の権利を守ってきた状態でしたから喜んだことは当然です。