柔整ホットニュース

特集

シリーズ第8弾  
国保中央会5項目の提言について業界内外の論客に意見を伺う!

2010/11/01

5.柔整療養費に係るIT化の促進について

3.でも述べましたが、大原則として「治療行為」と、「IT化」はまったく違った方向のベクトルであるという事実です。要するにいかにT化が整備されようとも、それがゆえに良い治療に相当するものではないという事です。前述したように、「難民」と称される、流れに乗りきれない層も必ず出るでしょうし、それを排除する方向に皆が一斉に走り出すのには非常に抵抗があります。現状として考えるなら・・・非常に複雑にして高額なるシステムの導入を検討するよりも、例えとして現在当JB会が発案・設計し、十年以上にわたり全国の会員からのレセプトを自動的に審査可能実績のある【FD審査システム(現在はUSBディスク使用に変更)】を仮に採用するとするなら・・・ネット当で調べた限りにおいて茨木の国保連と社団が検討中とのことである「IT化」は具体的に実現するのではないか?と考えます。
新規の開発費も要りません、それに、従来からJB会はこのシステムをレセプト用コンピューター・ソフトの各会社に「公開」しております。この柔整業界においては、どちらかというと技術的な問題よりもよその団体が開発したソフトなど使いたくない・・といった排他意識の方が新規構想に対する障壁になっている気がします、今すぐにでも使用可能な簡便な方法を導入検討する弾力性及び研究・行動力が今必要だと考えます。

 

6.今回の料金改定についての感想

これについては、言いだしたらキリがありません(笑)
ある意味で言えば、施術での一部の料金が増加するという結果となり、それを歓迎する業界人もいるのは確かですが、更に欲の皮を張る訳ではなく・・・単に数十円の値上げをひたすら喜ぶという業界人の意識は果たしてこれで良いのでしょうか?2009年の政権交代に伴う一連の政争に、業界人数的にばかに出来なくなってきた我々柔整業界がその渦の中に巻き込まれそうになっていると感じるのは私だけでしょうか?
それが良い証拠という訳ではありませんが、今回の改定については、現実として起こりうる事象について、あまりに現実とマッチングし得ない様相が「改訂」として生じています。
例えばご存じのように、4部位目以上の保険請求が認められなくなった訳ですが、交通事故による自賠責診療においては、クルマというものがからむ以上、4部位、5部位といった患者の傷病がよくよく発生します、昨今では患者の希望により、その本来自賠責保険会社宛に請求が行くものを健康保険に振替えて請求をするというケースも年々増加していますが、この場合ですと、健保請求のルールに従う限り、3部位までしかその請求は認められません。あくまでこのケースは全体で見るならレアケース、「例外」ですが、この「例外」についてキチンと「こうすべし」という指針はどこにも示されておらず、民主党や厚生労働省に「そうした場合の措置は?」と、問い合わせをしても未だ確定した回答は2010年10月現在下されていません。私たち柔整師は言うまでもなくプロです、金額の多寡が問題なのではありません、いやしくもプロたる者が、行った業務に対し、決められている部分以上については1円たりとて支払われないという事象は、プライドに係るのは元より、社会的に見て実に不公正であると思いませんか?
意地の悪い視点で言わせてもらうなら、法律的な体系・整合性も必要なのは理解しますが、少々社会的に起こりうるリスク予想への検討が決定的に不足していたと考えます。
政権政党内に柔整小委員会が発足しましたが、切に希望する事は、ブレーンの選定には1つのラインに偏ることなく、広くその門戸を広げ、本当の意味で最良の方向性を目指して頂きたいと考えます。
上記しました当会で推奨し、多くの外部の方とも検討を重ねております「認定柔道整復師制度」ですが、ここをご覧の皆さまにも是非、他団体が勝手に打ち上げたものと断定せず、襟を広げ一度ご覧になっていただきたく思います。
これはけっして業界内部のイニシアチブ争いを助長する為に描かれたプランではありません、特定個人の利益が狙いでもありません。
未だ骨太案であり、今後様々な論議を持って改良していくべき点は多々ありますが、少なくとも実効性にすぐれ、業界の多くがその垣根を超えて、公約数を見出すならば時間を要さずすぐにでも着手可能なプランであります。
この構想は、従来から正しい業務を心がけている圧倒的多くの数の柔整師にとっては、まことに負担も少なく、それのみに係らず、行政としても把握・管理が容易となり、また保険者サイドでさえ、保険支払い処理の合理化が可能になる要素の強く、これまでの殆ど閉ざされた互いの関係から、コミュニケ対応が具体化出来るといった数々のメリットが大いに期待できます。繰り返しますが、団体の枠に囚われず、皆さまの心の中に存在する【広いビジョン】で考えていただきたい問題なのです。
この認定制度私案ですが、『柔整診療の療養費受領委任払い制度 改革基本案』が正式なタイトルであり、社団JB日本接骨師会ホームページ(http://www.pb-jb.org/)より閲覧可能です。

 

プロフィール

    山﨑    雅文

        社団 JB日本接骨師会  広報部長 

 

前のページ 次のページ