柔整ホットニュース

特集

シリーズ第8弾  
国保中央会5項目の提言について業界内外の論客に意見を伺う!

2010/11/01

国保中央会5項目の提言について、業界はどのような対応と取り組みをすべきであるのか? この5項目の提言内容について柔整業界が真摯に取り組むことで柔整の進むべき今後の方向が明らかになっていくと思われる。 柔道整復師側の立場として、どのように捉え、取り組んだらよいのか、その意義について分かり易いご意見をいただくことで、多くの柔道整復師の方々に真摯に受け止めてもらいたい。
そのシリーズ第8弾としてJB日本接骨師会広報部長・山﨑雅文氏に答えていただいた。

 

社団JB日本接骨師会の広報部長、山﨑雅文です。
不遜ではありますが、今回の国保中央会よりの5項目の提言について意見を述べさせていただきます。概要と詳細なる資料・説明は既に他団体の先生により充分に周知されていると思いますので、出来る限りにおいて簡略してお話したいと思います。

 

1.施術所からの請求方法の統一化について

まず前提として、保険者が審査しやすいレセプト様式の統一化に異を唱える要素はナニもないと考えます。この統一化構想には、単に事務手続きの効率化だけではなく、今後数多くの意見交換や検討が必要になりましょうが、柔整業界における「治療のスタンダード確立」をも同時に模索するきっかけになるなら尚よろしいかと考えます。
しかし・・「どうして今までこのようなことが実現しなかったか?」ということについてですが、「コレに尽きる」と断言出来る理由というのは、ある意味で業界の誰もわからないというのが真相ではないかと常々考えるところです。業界通と自称する人でも、そのソースを辿れば、単なるウワサの延長であったり、プライベート発言に尾ひれがついたものに過ぎなかったり・・・角度を変えていうなら、本当の問題は、この業界は曖昧なる状況を自分らに都合のよい隠れ蓑にしてきた・・そのツケが今まさに突き付けられているのではないか?とも思うのです。柔整業界の業務は当たり前ですが広く社会一般の人々を相手にしています、そんな社会に対して、我々はもっと中身を透明化させ、曖昧な部分を可能な限り排し、また逆にどう考えても制度そのものに不合理があると思う場合には、前例に囚われず、勇気を持って異を唱え改善のために行動を起こすべきです。
それには、従来のように、各団体間での・・・会員獲得のための競争はまだしも、己が組織以外絶対に認めたくないかのような、敵対的団体間の意識こそがある意味で最大の障壁ではないかとも考えます。各団体とも皆真剣に物事を検討していることは確かでしょう、しかし今後は、現在の他団体アレルギーを取り除き、共通の公約数を見出すべく参加者全員がフラットな立場での「話し合いの場」を築いていくことが急務だと思います。

 

2.審査の統一化について

これについては他会の諸先生方による説明によって、更に付け加える説明は不要だと考えます、このいうならば「不統一の現状」を作り出したその原因は?というならば、これもまたドコまで辿ろうとも 真相に行きつきにくい問題ではないでしょうか?
しかし、あくまで正論で言いますが、日本のドコの地域に住んでいようと、同一部位、同一回数の傷病は皆同じ料金が正しく支払われることこそ基本だと考えます、そこに地方の格差、地域ルールによる特性等があるのが良いとは思えません。
どうして現状囁かれる「不統一」が生じたのか?といわれるなら、それは柔整業界ひとりひとりにも責任があり、また地方行政にも問題があったというべきではないでしょうか?責任の過失割合を論じてもこの場合意味は有りません、大事な事は今後において「第三者が見ても一目で判りうる透明な構図」だと思います。そしてもう1つ大事な事は・・・、一度決定された事項をまるで神のご宣託のごとく捉え、どんなに社会的にも運営的面でも、不具合・不合理が生じようと改善のアクションを起こしにくい今の現状を踏襲するのではなく、常に問題を監視し、あきらかに不合理な点が浮上した場合は、業界にとどまらず、外部・社会からの意見もよく総合・精査し、問題のポイントをより良く修正できるだけの「制度の弾力性」強化もこの統一化構想ではよく協議をもって検討していくことを望む次第です。

 

 

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