柔整ホットニュース

特集

シリーズ第7弾  
国保中央会5項目の提言について業界内外の論客に意見を伺う!

2010/10/01

最後に今回の料金改定についての感想、ご意見等をお聞かせください。

今回の料金改定では、柔整の制度そのものにまで踏み込んだ改定があるかと期待していただけに、小手先の瑣末な改定で、落胆しました。
独りの柔整師で開業しておられる施術所と20人の柔整師が勤務する施術所、5坪の施術所と体育館のような施術所、一日2、3人の患者しか来院しない施術所と200人以上の患者が来院する施術所、これらの施術所をすべて同じ人員基準、設備基準、運営基準のもとで全国一律の療養費基準にて算定している事の不合理、矛盾に、何ら触れられていなかったのが今回の改定でした。
医療、介護業界においては、事細かな施設基準、地域基準が画定されそれぞれが異なった算定料金で請求されているのがスタンダードの現在、柔整においては有って無いような門戸の広がりすぎた施設基準があるだけです、一刻も早く施術所の規模等に応じた療養費の支給基準制度の導入を実施すべきであると考えます。
今回の5項目の提言は、患者である国民の事は全く無視した、因習に縛られた柔整師と事なかれ主義の保険者との責任のなすり合いから出された、柔整師の現状をなんら変える提言で無かったと考えます。まだ国民が支持してくれている今こそ柔整の制度そのものを抜本改正すべきで、自ら血を流す事を恐れていては、今後も増えつづける柔整師への対応などおぼつかないものであり、未来にも柔整師が生き残れるためには必要不可欠であると考えます。
現状の問題を解決するだけでなく、より良き未来像を常に描いておくこともリーダーの重要な課題であると考えます。

 

プロフィール
    川口    貴弘
        社団法人  奈良県柔道整復師会 副会長 
        社団法人  日本社会福祉士会 会員 


 

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