柔整ホットニュース

特集

シリーズ第5弾  
国保中央会5項目の提言について業界内外の論客に意見を伺う!

2010/09/01

5項目の提言の5番にあげられております「柔道整復療養費に係るIT化の推進について」。現在既に、IT化に取り組まれている県は茨城県社団のみということです。クリアすべき課題等について率直に教えてください。

小項目②柔整師の加入団体等による代行請求を含めた検討が挙げられているが、電子請求となると、加入団体の存在意義がなくなるのではないかと危惧する。静岡県でも代行請求は行われ、我々会員は非常に助かっている。茨城方式がどのようなものか理解していないが、IT化・電子請求により「各施術所が国保連へ翌月10日までに請求云々」等となると、柔道整復師の各団体存在意義は薄れると思う。加入団体でまとめての請求形態を行わないことからも容易に推察できよう。
繰り返しになるが、電子請求をはじめIT化は簡便である。PC環境を持たない柔道整復師をどの様にするのかなどの問題もあるが、むしろ柔道整復師の組織が解体していくことの方が心配される。組織化していない団体など存在意義は失われるのはなかろうか。組織の存在意義を十分に話し合い、組織の一本化を進めるべきと思うがいかがであろうか。

 

最後に今回の料金改定についての感想、ご意見等をお聞かせください。

柔道整復師養成学校の乱立により、毎年多くの柔道整復師が排出される。それに呼応するわけではないが、柔道整復師加入団体もかなりの数と聞く。医師会の組織率の高さをみるにつけ、はたして柔道整復師は何を目指しているのかと考えてしまう。共存共栄の精神は薄れ、自己保身にのみ走っているとしか思えない。天に唾を吐きだす様に、受領委任が廃止され、償還払いになり、さらには健康保険取扱の中止となるのではと危惧する。
今回の料金改定を単なる改定と考えず、将来への保険取扱い維持を念頭に置いた意識を各柔道整復師が持たなければならない。
昭和40年代の日本の景気が良い時代の料金改定を追い求めるのではなく、現実を見つめ、足元を見つめ、各々の柔道整復師が将来にこの職種を残すべき対策を真摯に考えなければならない時に来ている。特に若い世代の柔道整復師には期待している。現代はデジタルの時代と言われている。今回の提言で示された電子請求をはじめIT化に対し、携帯電話をはじめ電子機器になじんでいる若者には、取扱いは難なく行いうるものではと思う。高齢者といえども携帯電話を使用している。また民主党政権になり、新たな事業仕分け手法に国民は注目している。「無駄を省く」との考えによるものであり異論はないが、この仕分けもまさしくデジタル手法である。白黒をはっきりとさせる手法ではないか。アナログ類型の業種である柔道整復師業は、時代にそぐわなくなっていることは明らかである。柔道整復師の法的な存在意義が薄れかけていると心配される。繰り返しになるが、柔道整復師が一丸となって業種・組織を守らなければならない。異論はないと思う。その為にどの様な行動をとるべきかをじっくりと考えていただきたい。

 

プロフィール
    森上    克彦
        社団法人  静岡県柔道整復師会  


 

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