柔整ホットニュース

特集

シリーズ第4弾  
国保中央会5項目の提言について業界内外の論客に意見を伺う!

2010/08/16

5項目の提言の5番にあげられております「柔道整復療養費に係るIT化の推進について」。現在既に、IT化に取り組まれている県は茨城県杜団のみということです。クリアすべき課題等について率直に教えてください。

IT化にはメリットもデメリットも多くあり、慎重に取り組むべきであり、業界が電子化して行くためには、まず、申請書統一が不可欠である。
まず、日整が先駆けて申請書を統一、そして各県社団においてシステムの統一化を図ることが重要である。
また、受け入れ先(国保団体連合会等)の行政(厚労省)に合わせたシステムにしなければならず、この点も日整がリーダーシップをとり早期に取り組まなければならない。

 

最後に今回の料金改定についての感想、ご意見等をお聞かせください。

昨年の行政刷新会議になぜ、柔道整復療養費が事業仕分けに上げられたのか疑問である。また、今回、料金改定の背景には平成20年6月1日マスメディアによる多部位不正報道、その後、一連の柔整不正問題が大きく影響していると考えられる。
注目すべきは多部位請求適正化として4部位目の給付率33%→0%になったこと、3部位目逓減率が0.8%より0.7%に引き下げられたこと、これは事業仕分けの検討に基づき多部位は(3部位・4部位)適正ではないと結論付けられたものである。
私見ではあるが多部位すべてが適正でないとの結果、また、技術料見直しの後療料がプラス30円となった事、後療料については平成12年以来、実に10年ぶりのプラス6.4%ではあるが、適性でないとされる3部位・4部位を切り捨て、技術料30円をアップし調整することが正しい意味での適正化であるのか、今回の改定は±0%としているものの部位別請求を基本に考えた場合、大きな後退(マイナス)であり、適正化に対する疑問と不条理を強く感じるものである。いずれにしても国民(患者様)不在の改定である事は否めない。
さらに平成22年5月までは最大で1,810円請求できたものが6月1日療養費改定以降、最大1,633円までしか請求できない。
この差177円つまり後療料が30円上がったとしても4部位目がなくなったことは、今後の柔整療養費にとって大きく影響を与えるものである。

 

プロフィール
    伊藤    宣人
        社団法人  三重県柔道整復師会  理事副会長


 

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