柔整ホットニュース

最新トピック

第15回柔道整復師小委員会が開催される!

2012/04/01
【業界の適正化について】

超高齢化社会の到来が疾患構造の変化、医療費の高騰、国民の医療に対する意識変化等をもたらし、従来型の一元的医療では患者の多様な期待に対処できなくなり多元的医療、すなわち、統合医療への移行が必然となると考えるが、これについて保険者としてはどのように考えているのか。
・柔道整復師・保険者・患者が一緒になって、患者さんのためにどのようにするべきかの改善策を考える必要があると思うが、これについてどのように考えているのか。

お答えするのが難しい点もありますが基本的な考え方だけ申し上げますと、公的医療保険制度は保険料財源あるいは公費財源により運用されています。それに係る被保険者の方、医療を負担される方、あとは実際に施術療養を担当される方の相互理解と信頼のもとに運営されることが基本だろうという事です。

 

個人請求者および個人請求を促すレセコン会社に対しても、正しい保険請求方法やモラルについて教育する機会を設け、厳しく指導して頂きたい。また、公的団体と個人請求者との区別化も検討して頂きたい。

保険者として適正な支給を行うといった観点からは患者に対して正しい受療の方法を促す事、施術者からの支給申請・請求に対しては適正に審査・支払いを行う事が基本であって、これは団体からあるいは個人からの請求であるという事に係らず、等しく適正に審査・支払いを行う事が基本であると考えます。

 

保険者からみてどのようなことをしたら柔整業界の適正化が計られると考えているのか。

この様な事につきましては、本日お集まりの皆様の中で十分議論して頂くべき点かなと思います。

 

【その他】

面会を申し出ても、公益社団法人日本柔道整復師会以外とは会わないという理由で面会できないが、根拠を教えて頂きたい。

これは個々の状況に応じてという事ですが、保険者の担当の方も大変苦慮するような面会の申し入れというのもあるとお聞きしております。お互いの関係もありますのでよくご留意の程をお願いしたいと考えている次第です。

 

現在都道府県で行われている協会けんぽ、国保連合会の審査員について毎月のレセプト審査員の採用基準、一般的に各県の社団法人の会員で行われているが、他の協会会員が入っていない理由は何か。

これは各県において様々な状況があります。例えば社団日整さんの会員以外の方が審査会の審査員に出向されている例もあるという事をご紹介させて頂きます。


 

この答弁に対し、出席していた議員から〝治療を行い、その対価として見合った報酬が支払われるべきだと考えるが、医療費の適正化についてどのように考えているのか?〟〝柔整師に不利な広報がされているのではないか?〟と指摘があり、屋敷氏は〝どのような治療を行ったのか、その治療を行うに際して用いられた柔道整復師のマンパワーはどの程度だったのか、あるいは施術所に対するキャピタルコスト等様々な要因があると思います。そういうものもみながら説明をして頂ければ良いのではないかと考えております。広報については、保険者から被保険者に対する周知の一環として行われているものと考えておりますが、例えば支給対象の疾患は何であるのか、どのような場合に支払いがされるのかといった点を正しく伝えるという事が必要ではないかと考えております。そのような認識の上で、保険者も取り組んでおられると理解しております〟と述べた。

ここで今回初めて柔道整復師小委員会に参加することとなった保険者を代表して国民健康保険中央会より〝本日はこのような大変貴重な場をご設定いただき、また出席をさせていただき誠にありがとうございます。保険者の団体の立場からして、医療システムの中でその役割、機能を発揮していただくことを十分に期待申し上げている一人です。今後ともこれを機会によろしくお願い申し上げます〟と挨拶があり、そのまま退出となった。保険者へ直接質問をできなかった事に柔整師側の一部から不満の声が上がる中、 大島議員から〝こうして保険者の方がここに座って頂くだけでも本当に苦労したんです。正直に言いますが、保険者は過去からずっと絶対顔は合わせたくないと言っていました。私どもが何度も保険者に足を運んで説得を重ねてやっと来てもらったのです。厚労省の皆さんとも何度も顔を合わせることによって、徐々に直接お話しして頂けるようになったので、本日は色々な不満があるのは分かりますが、保険者に直接言うのではなく我々議員や厚労省にこういうことを聞いてもらいたいという要望があればお受け致します〟と説明があった。これを受けて柔整師から数点質問があったが、時間の都合上、後日回答という形で閉会となった。
また今回の小委員会で大島議員は6月の療養費の改定についても触れ〝今度の療養費の改定においては大変厳しい状況だと私は思っております。昭和40年に撤廃をされた回数制限等が復活する可能性も大いにあると個人的には思っています〟と自身の考えを発言した。

今回の柔道整復師小委員会は柔道整復師団体・厚労省・保険者が一堂に会する初の機会となったが、保険者との間に深い溝が存在する現状を改めて感じる結果であった。今後、柔整師・保険者双方が歩み寄り、相互理解を深めていく必要があるだろう。互いの立場を優先させるのではなく、あくまで被保険者である国民にとって何が一番良いのかを考え議論を進めてもらいたいと願うばかりである。

 

前のページ 次のページ