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新団体設立にあたって、その志をお聞きしました!
―田中先生は全くの個人請求者をどのように指導すべきとお考えですか?
先にも述べましたが、それぞれの団体の設立主旨に合わなければ、団体に強いて入会する必要はないのですが、個々人での保険請求の段階で、問題に突き当たったとき、解決すべき拠り所が必要になってくるかと思います。専門学校では免許取得の勉強は一生懸命やっていますが、保険制度の実務はほとんど学習はしてきません。問題が生じたとき相談が出来る場所を提供し、逸脱した保険請求が無いように協力していきたいと思います。
―保険者からは、個人請求者が増えると、やりにくいので一括してほしいという考えはありますが。
この問題は一本化していく段階でおのずと解決される問題です。それぞれの会が同じテーブルに着き、柔道整復師会として保険者とどのようにすればより良い関係を保持できるかを模索したいと思います。
―業界が一本になるよう田中先生、大島九州男議員が目下努力されているところだと思いますが、今後どのような展開が期待されるのか、小委員会の今後について差し支えのない範囲で教えてください。
大島九州男議員が誕生したいきさつはご案内の通り、平成19年7月の参議院選挙におきまして「柔道整復師の諸問題に取り組む議員」を国会に送り出そうと、党派を超え選挙運動を展開し、みなさまのご協力を得て当選いたしました。
その後、大島議員を始め有力な議員が『柔道整復師小委員会』を設置し、勢力的に活動をしています。しかしながら、柔道整復師会が一本化されていないと、問題が個々バラバラになってしまい、建設的な問題解決策が見いだせず、毎回開かれる小委員会は単なる「顔見世」の場になってしまうのです。
国会議員の中でも「接骨院・整骨院」と「整体院」の区別がつかない人もいます。「柔道整復師」という国家資格を理解していない人もいます。その中で、医師会や保険者から「不正請求」が多い「接骨院」などとマイナスイメージばかり取り上げられ、本来の「国民の医療を支えてきた接骨院」の役割を、過少評価する国会議員もいることは、否めません。
しかし、何度も申し上げますが、それは我々柔道整復師にも非があるのです。国会議員の皆様にももっと理解していただく努力をしなければなりません。
それには、一本化がどうしても必要になってくるのです。
業界が一本化し、柔道整復師が議員と連携を取り、お互いに対等な立場で活動することが重要なことだと考えます。
―今の業界の問題点、たとえば業務範囲の問題に関してなど、その他の整理と、長期的なビジョンについてお話ください。
柔道整復師会の諸問題につきましては、時代また、社会の変化に伴い、国民の立場に立って考えていくものだと思っています。
これまでにも提唱してきましたが、「レントゲンの導入」「適正傷病名」「柔道整復師法17条の改正」「介護における柔道整復師の参入」など、大きな目標を掲げ、出来るところから一歩一歩進んでいきたいと思います。
業務範囲の問題にしても、高齢社会が到来し、整形外科が増え国家の医療費がかさむ中、少し視点を変え、柔道整復師の業務範囲に対して緩和策が適用されれば、医療費軽減にもつながるメリットが、国家にもたらせると思います。
「適正傷病名」の問題につきましては、柔道整復師法をよくよく読んでみますと、どこにも制限などは明記されていません。
このように具体的に一つ一つ問題点を洗い直すとこらから、柔道整復師会としてまとまって、国会議員、厚生労働省、各保険者とも密接に連携を取り、よりよい環境を作り上げて行きたいと思います。
(文責・編集部)
プロフィール
田中 威勢夫
一般社団法人 日本整復師会 会長
[HP] 日本整復師会