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福島逃避行・矢口接骨院ご夫妻に聞く

2011/06/01
3月13日

朝。東京へ向かう事は決めていたが6号線は無理だろうと思っていた。とりあえず福島県田村市の避難所で別の親戚と合流。そのさい新潟からやってきた友人の話を聞き新潟経由のルートがひらめく。結局親戚2組と近所お婆ちゃんの3家族が新潟経由関越自動車道で延々と13時間。奥さんはやはり家のことが心配だと言うと、張りつめて運転している守夫さんから「被爆しても良いなら帰れば」と言われたらしい。夜には教員をしている亀戸の弟さん宅に無事到着。マンションに3家族10人が泊った。

その後数日の出来事

近所のお婆ちゃんは身内に電話が通じず困っていたのだが、たまたま持っていた宅急便の送り状から九州の息子さんの電話番号が判明。連絡を取ると16日には九州から迎えに来て無事引き取られた。守夫さんの母上も具合が悪く近くの病院に行ったところ、保険証も何にもないのに院長先生自ら対応してくれて入院できることになった。あとの親戚2家族は近い兄弟のところに移っていった。

原発について一言

誤解の無いように言っておくと守夫さんは原発推進派。最初に建てた原発は寿命が20年と言われていた。そこで20年経つ頃には7号8号基の増設を訴えていた。ところが当時の政府与党が増設を認めなかったため今回の事故が起きてしまった。 結局古い1号機~4号機を40年も使って今回の事態を招いた。約50年も前の設計構造の原発である。こうなって当然である。現代の最新技術を持ってすれば今回の事故は、回避されたはず。全ての原因はここにある。それが証拠に第一原発の5号基6号基は今回の地震でも無傷でいる。7・8号基を作っていればこうなっていなかった。それなのに東電にばかり責任を取れとはなんだ?この20年東電は再々に渡り、耐震構造に優れた新しい発電所の建設を陳情して来たのに政府は容認しなかったために招いた人的事故であると考える。地元の人間はみな老朽化した原発に不安を抱いていた。責任は東電はもとよりこの20年間の与党閣僚全員に私財を投げ打って責任を取ってほしいと守夫さんは思う。

3月20日

こうなったからには何年も福島には戻れないだろう。とすれば東京で働かなきゃ。守夫さんはテン十字グループの小杉代表と3月20日、食事の席で会った。小杉代表の第一印象では、矢口夫妻は表情も明るく、着の身着のまま逃げてきたとは思えない程だったという。小杉代表はその場で「自分のところで働かないか?」と声をかけ、翌日には小林本部長から矢口夫妻に連絡があり4月4日から守夫さんは亀戸の天心堂接骨院で。ちえ子さんはスカイツリーに近い押上接骨院で働くことになった。小杉代表の対応の早さに驚いた。

テン十字グループの取り組み

矢口夫妻を受け入れたテン十字接骨鍼灸院グループは関東を中心に約60店舗の接骨鍼灸院・リラクゼーションを運営している業界大手。治療ボランティアにも熱心で、民主党統合医療柔道整復師小委員会の要請をうけ、この後4月7日~9日の第1班では宮城県に5名参加、続く第2班でも5名。さらに5月は福島県郡山に4名参加するという。それだけでなく被災された柔整師に直接求人広告を打ちたいと願っていた小杉代表にとって、矢口さんご夫妻との出会いは必然であったのかもしれません。