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第5回保険者会議が開催!
3.「部位別請求について」
保険者側から〝保険者も殆ど素人で、厚労省の通達に基づいて急性だ慢性だといっているが、部位転がしははっきり言うと慢性である。同じ部位ばかり1年もやってたらまずいから場所を変えようというのは、わかり切ってることである。柔道整復師の業務と保険適用の範囲にズレがある、そのずれをどう埋めていくかというのが課題ではないか。慢性を診るようになると、体中あちこち痛いという人は、6部位も7部位にもなり、医科でいうマルメ請求、全部まとめてのほうが合理的だという考え方も出てくる〟との意見。また〝部位転がしが出来ないように部位に1位、2位、3位と順位をつける〟という提案が出され、保険者側から〝順位というよりも、部位の整理をされた方がよろしい。個人的な意見だが、もっと違う観点からしっかり見直すべき〟とあった。もう1つの提案事項〝患者照会をするならば、患者さんに予診票を出してもらう。予診票のコピーを添付すれば裏がとれる。柔整師の治療の適正化をする意味では非常に良い。科学的な患者照会を行ったほうがお互いの信頼関係をちゃんとつくれる〟とした意見が出され、保険者側から〝領収書をとっておく人、予診票をとっておく人が果たしてどれくらいおられるか。なくした場合は再発行ということで、柔整師の先生も手間がかかるのではないか〟〝データを取り込まないといけないので、手間・作業が発生する。保険者としては作業を減らしたい〟とした意見。柔整師側からは〝治療院に通院し始めた日を覚えていない患者さんも多いので、証明できるものは必要である〟との意見。更に、今城代表は〝保険者の話を聞くと、資料や手間をかけて大変だなと、逆に同情した。ある程度の照会はやむを得ない。「こういうことは出来ませんよ」等、積極的に柔整師もPRしていかなければいけないのではないか。保険者が支払う支払わないの問題ではなく、患者もそういうことをPRしていかないと、良くなっていかない。診察時に予診票を出させるのは、特に必要で、そのくらい手間をかけなければいけない〟等、述べた。
本多氏は〝ここまで厳しく不正が行えないシステムを作り上げる意味は、不正がなくなって初めて良い柔整師が生き残れる訳であり、料金を上げてほしいという考えも最終的にはある〟と公表した。また、チームを作って、5年~10年間のレセプト請求データを基に、例えば腰痛や肩の治療はどの位時間を要し、どのような請求(部位数はどのくらいか、男性・女性との違い、年齢等の違い等について等)、出来れば数カ月の間に類型化する作業にとりかかることも報告した。
最後に初参加の保険者Y氏から〝キチンと根本的に考え直さなければいけない時期にきており、このまま先のびでずっといくのであれば、何の解決にもならない。料金の問題が出たが、適正なものにはやはり適正な料金を払って、然るべきと思っています。きちんと保険のルールを柔整師さんが来院された人に説明を行う、治療計画を行う。それらを義務とした上で、施術料金を上げていくことについて反対はしない。とってつけたような算定ルールを引きずっていてもレセプト、申請書から治療内容は見えてこない。適正給付、万遍なく被保険者組合員のためになる制度が歴史的にあると個人的には思っている〟等、挨拶があった。一方、ある業種の国保組合から、柔整療養費の47都道府県統計結果について、平成17年~21年までの5年間、17年度伸び率で100未満、7組合。100~150%、22組合。150~200%、13組合。200~250%、5組合。いずれにしても異常なくらいの伸びになっている。一組合では、昭和58年~平成20年までの26年間で1017%という突出した伸びを示したところもあったと報告した上で〝前回、今回と、2回この会議に参加して、思ったより真面目に協議されていて、全国の柔整師の方々にキチンとして頂ければ良い〟との感想も述べられた。保険者を代表してW氏が〝支払基金等の大きなテーマでしたから短時間で結論が出る話ではなかった。ありがとうございました〟と締め括って終了した。
(今回の出席者は、8健康保険組合が参加、総勢約50名で開催された。)
○この会議で非常に重要なことは、患者会議・柔整師会議・保険者会議と3つの会議で各々の立場から意見を出し合い、その3つの会議を連動させて議論をしていること、しかもその前に入念かつ地道に事前調査を行って、問題点を絞り込み、またクローズアップして、関係者に手の内を見せて公に議論していることではないだろうか。