柔整ホットニュース

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第49回   【最近の厚生労働省の通知や第53回社会保障審議会医療保険部会での議題のベースとなるもの】

2012/06/01
厚生労働大臣への再要望

平成17年5月26日

厚生労働大臣 尾辻 秀久 殿

社団法人 日本整形外科学会
理事長  山本 博司

柔道整復師に関する要望書

 本学会は平成14年6月に厚生労働大臣 坂口力殿に柔道整復師に関する要望書を提出致しましたが、その後も柔道整復師や学校数は激増し、本年度の入学者は7000名に達する状況です。この過剰ぶりを反映して、全国紙数社の報道にもあるように資格を悪用した接骨院チェーンなどが摘発され、また臨床の現場では健康被害例が増え続けております。このまま放置すれば、近い将来大きく社会問題化し、厚生労働行政の不作為が問われることは明らかであります。
  この不正の温床となっているのが柔道整復師にだけ認められている「受領委任払い制度」であり、これは昭和11年に、扱う疾患を外傷に限るという制限つきで特例として認められたものです。しかし現在、柔道整復師が扱っているのは、そのほとんどが腰痛・肩こりなどの慢性疾患であり、特例要件は完全に反古にされています。
  健康保険制度の名のもとで「受領委任払い制度」によって、国民の健康が害されている事実は貴職は重大に受け止め、一刻も遅滞なく対応されますように、ここに再度要望いたします。

 

再要望事項

1.
柔道整復師だけに認められている特例で、すでに特例要件をみたさず、かつ、さまざまな弊害を生みつつある療養費の受領委任払制度を廃止されたい。
2.
柔道整復師が取り扱える疾患は、「打撲・捻挫と、応急の手当としての骨折・脱臼であり、急性外傷に限る」との法を遵守するよう、関係各方面に徹底願いたい。
3.
上記1.の諸点を広く国民にも知らしめるよう各方面をご指導願いたい。
4.
上記1.に関連し法に定められている骨折・脱臼はもとより、打撲・捻挫においても、応急手当ののち可及的速やかに、必ず、整形外科専門医の診察と診断を必要とするような制度を設立していただきたい。
5.
柔道整復師の施術所開設にあたり、なんら制限のない現行制度のはらむ危険性をご勘案いただき、この制度を見直していただきたい。

 


 

厚生労働大臣への再々要望書

平成22年8月20日

厚生労働大臣 長妻 昭 殿

社団法人 日本整形外科学会
理事長  中村 耕三

柔道整復師に関する再要望書

 日本整形外科学会は、これまで2回にわたり「柔道整復師に関する要望書」を提出し(資料1,2)、柔道整復師による療養費の「受領委任払制度」を廃止していただくことをお願いしてまいりました。しかし、残念ながらこれらは改善されておりません。
 「無駄を排除する」ことを目的とされた昨年11月の事業仕分けにおきまして、柔整療養費が採り上げられ、負傷部位数の問題、養成学校数の制限などが論議されました。今後ともこれらの点の議論を深めていただきたいと思います。複数個所の打撲・捻挫のみを受領委任払で請求している柔整療養費が、すべての運動器疾患の診療を行っている整形外科診療所の医療費の半分に迫るという現状(資料3)は、健全な医療費配分の観点から大変不適切な状態と思われます。また、柔道整復師による請求では同時に数箇所の外傷が生じることが多いということは、整形外科の調査結果からは大変不自然であると考えられます(資料4,5)。
 貴職におかれましては、これらの問題に早期に対応されますよう、再再度、要望いたします。

 

再再要望事項

1.
柔道整復師だけに認められている特例「柔整療養費の受領委任払制度」を廃止されたい。
2.
柔道整復師が取り扱える疾患は「打撲・捻挫と、応急の手当てとしての骨折・脱臼であり、急性外傷に限る」ということを遵守するよう、関係各方面に周知徹底願いたい。
3.
骨折・脱臼はもとより、打撲・捻挫打撲・捻挫においても、応急手当ての後は速やかに、整形外科専門医の診察と診断を必要とする制度を確立していただきたい。
4.
柔道整復師の施術所開設について、なんら制限のない現行制度を見直していただきたい。

添付資料
資料1:柔道整復師に関する要望書
資料2:柔道整復師に関する再要望書
資料3:国民医療費の動向(メディアス)厚生労働省公表
資料4:多部位請求の割合 平成20年6月1日 朝日新聞1面抜粋
資料5:日本臨床整形外科学会 初診外傷患者に関する調査結果