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これだけは知っておいて!!
第22回 【論文を書くために(日本語論文編)】(学術編)
2011/04/16
5.論文発表を行うため参考図書
論文発表に関する具体的な方法を述べた書籍は数多く出版されており,インターネットでの通信販売や書店で購入可能である.実際にそれらの書籍に目を通していただくことで論文発表の詳細を知ることができる.それら書籍の内,ごくわずかではあるが以下に紹介する.
- 1)
- 酒井聡樹:これから論文を書く若者のために,共立出版,東京,2002
- 2)
- 三宅由子:臨床データのまとめかた 研究計画から論文作成まで 改訂第2版,杏林書院,東京,2001
- 3)
- 田中喜代次,西嶋尚彦(監訳):身体活動科学における研究方法,ナップ,東京,2004
6.さらに研究を深めるために
一般的には,論文発表のノウハウは大学院で学ぶ.残念ながら柔道整復の領域には大学院は存在せず,専門学校では論文発表について学ぶ機会を得ることは難しい.しかしながら,医学部(特に基礎医学分野)や体育学部をはじめ,今日では多くの大学院で社会人の受け入れを行っている.また,大学院ではなく,研究生制度もあり研究機関(大学あるいは大学院)に所属して論文発表のノウハウを学ぶことができる.
7.その他
論文の三要素
- 1.
- 有効性 availability
「○○の条件を与えれば、本方法は▲▲の点で他の方法よりも優れている」と言える研究が「有効性」のある研究である。○○の条件が緩やかであればあるほど優れた研究と言える。 - 2.
- 新規性 originality
いくら優れていても、誰かの二番煎じではダメである。いくら自分ひとりで考えたと言ってもそのとき既に誰かが同じことをしていればそれは最初ではない。新規性を保証するのは、地道な文献検索である。 - 3.
- 信頼性 reliability
実験結果、検討結果を支えるものが「信頼性」である。実験方法が正しく記載されているか、理論的考察に間違いや漏れがないかをチェックする。いくら有効な方法でも信頼できなくては役に立たない。