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gyoukaiJICA日本伝統治療(柔道整復術)普及事業報告

2011/11/07

指導者候補生に対する臨床実習においては、外傷病院で難渋する患者多数に対し、医療面接の仕方、触察法、症状の見方、指導管理などの指導が行われた。適切な処置が施されず経過した骨折や1か月以上前に受傷した肩関節脱臼など、日本の医療機関では到底見られない症例が数多く見られた。中でも骨折の手術後リハビリする患者のほとんどは、長期にわたり可動域制限が残存していた。

課外授業では、ロールプレイング形式で日常頻繁にみられる外傷をモデルとしたケーススタディが行われた。指導者候補生が患者役、術者役、助手役になり、外傷の特徴の把握やそれに対する判断根拠を理解できることを目的とした指導が行われた。

派遣メンバーの活動報告によると、モンゴル国の地方では住居が点在し、遠方より患者が来院するため准医師たちは毎日の経過観察ができないことが柔道整復師との大きな違いであり、そのため適切な初回処置はもちろんのこと次回来院までに固定が緩まず患部の状態を維持できる包帯技術の習得が指導を行ううえでの課題点であると感じたという。

また、今回の講義時間ではむろん理論、技術とも確実に習得するのは困難であり、重要なことは技術を単に覚えることではなく、永続的に研鑽する姿勢を身につけることだとし、地方単位で定期的に症例検討会を開催するなど准医師間で学術的な企画・運営ができるよう整備していかなければならないと今後に課題を残した。

 

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