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JICA日本伝統治療(柔道整復術)普及事業報告
公益社団法人日本柔道整復師会は、JICA(国際協力機構)の草の根技術協力事業(パートナー型)日本伝統治療(柔道整復術)指導者育成・普及プロジェクトの事業を9月より実施した。今回のプロジェクトでは特に、モンゴル人指導者育成を目標としており、現在、モンゴルからの指導者候補の日本研修を行っている。
このプロジェクトの1年目のスタートとして、バヤンウルギー県にてモンゴル国地方医師研修会が行われた。
9月22日にバヤンウルギー県に到着した派遣メンバーは、県知事や保険局所長等の現地関係者との打ち合わせを済ませ、現地住民ならびに講義参加者への事前インタビューを行った。バグ医師として32年間勤務するバムナムラク氏には施術方法や往診手段等の現状について、現地住民には過去の怪我についてインタビューした。
翌日の23日は開講式が終わると、早速包帯実技や固定実技の講義が開始された。その後2日間、橈骨遠位端部骨折固定や肩関節脱臼整復の実技や筆記・実技試験が行われた。
26~27日には現地調査が行われ、28日からのダルハン県における指導者講習会ならびにモンゴル国立健康科学大学付属医療技術大学における基礎講習会へと続いた。
ダルハン県では、30日から10月2日までの間、バヤンウルギー県と同様の講義が実施された。
10月3日には地域住民に対しての公開講座が開催され、約70名が参加した。
身近にあるものを使って固定を行うことにより、機能障害ならびに変形治癒などは、初期治療を正しく行えば防げることが多いことを説明し、参加者同士で実際に練習を行った。会場は熱気にあふれ、住民のケガに対する応急処置への関心の高さがうかがえた。
公開講座は地方で1回・ウランバートルで1回の年2回の開催が予定されている。
ダルハン県での講習と同じく9月28日より開始されたモンゴル国立健康科学大学付属医療技術大学における基礎講習および指導者候補への臨床講習は、約1か月間に渡って実施された。
准医師科の3クラス約100名に対し、1クラスあたり講義12時間、実技36時間の講義が行われた。報告によると、30人単位での講義であったため、生徒間との距離も近く、活発に発言や質問が出された。また静かに聴講する姿勢や実技に取り組む積極性からは熱意が感じられ、整復、固定のコツを覚えると休み時間でも練習している姿が見受けられた。