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日本柔道整復接骨医学会会長に就任された
櫻井康司氏に直撃インタビュー

2012/12/16

今期、日本柔道整復接骨医学会・会長に櫻井康司氏が就任された。櫻井氏は、全国柔道整復学校協会の会長職を10年間務められ、4年前には東京有明医療大学を開学、長きに亘って花田学園理事長として柔整学校教育を背負いリードしてきた人物である。柔整教育分野の第一人者である櫻井氏が日本柔道整復接骨医学会の会長に就かれたことは、まことに喜ばしいことであり、大いに期待したい。

櫻井会長に今後の抱負をお聞きした。

 

『論文は学会の財産であり、業界の財産です。接骨医学会の更なる発展とグレードアップをはかります』




日本柔道整復接骨医学会
会長   櫻井  康司    氏

 

―この度は、接骨医学会会長にご就任おめでとうございます。これまで櫻井会長は、学校協会の会長をされ、東京有明医療大学を開学し、また大学院の準備もされていらっしゃいます。そして学会の会長も引き受けられ、一貫して学術分野を歩まれてきた方と思っております。業界は現在、重要な局面に立っていますが、国民あるいは患者のニーズに答える為には、一つには制度的な要素、もう一つは学術的な能力を上げる。この両輪によらなければ前に進まないと思いますが、そうした中で学会が担う役割は非常に重要だと感じます。今後の学会の方向性や、現在のお気持ち、抱負をお聞かせください。

私という人間は、根っからの楽天主義者なのかもしれません(笑)。究極の部分までは、一応考え続けます。しかし、究極までといいますか、そこに到達した時点で、どちらかというともう一歩前に出ようという思いを持って、これまでも歩んできました。今回の日本柔道整復接骨医学会会長という大役をお引き受けするにあたっても、基本的にはその気持ちでお引き受けすることに致しました。しかしながら、歴代の会長さんをみてきて私につとまるかどうか、心配はございます。やや荷が重いとも感じますが、引き受けたからには一生懸命全力投球をしなければと思っております。今は未だ就任したばかりですので、他の学会等を参考にさせていただきながら、何処を如何に改善するか、どういう方向付けをしていくかについて学会のあるべき姿を模索中です。やはり自分達の学会であるという認識を皆さんが持っていただいて、学会のステータスを上げていくこと、これは第一の要件だと思います。学会のあるべき姿というのは、政治色ではないはずですし、学術団体としてのステータスを上げるには学会誌のレベルアップであったり、取り組まなければならない課題は山積しているだろうと思っています。学会誌に投稿すること自体がその人のステータスを上げる、グレードを上げるという方向に持っていかなければならないと思います。研究機関としての大学が幾つか出来ましたので、そこからもっともっと本来の柔道整復に関して夢を持った研究や発信がなされるようにしたいと考えています。接骨医学会に発表しても何の評価もされないということになると、他の学会には発表するけれども、接骨医学会では発表しないという傾向になっていくようでは困ります。勿論、他の学会に研究発表していくことも、しっかり評価を受け、柔道整復師の存在を知らしめることは重要で大いに行っていただく必要があります。ただし、論文は学会の財産であり、しいては業界の財産です。そういった意味からも論文の査読と、いろんな形でグレードアップするための委員会を作ること、しかも今はどの学会も倫理審査が厳しくなっていることからも倫理面の審査をしっかりとできるような体制を作っていきたいと考えております。いきなり厳しくなると論文投稿ができなくなってしまうということもありますので、一応キチッと方向性を示しながら、改革をしていきたいと考えております。

 

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